F+S Flash
(Vol.191)


============================= CONTENTS =============================
【F+Sメンバー紹介/第158弾】
  志度 昌宏 / インプレス「IT Leaders」      <東京>
  氏部 辰雄 / クオリカ             <東京>
【コラム/『経営者に贈る言葉』<第24回> 最終回】    <寄稿>
  経営者の条件/経営7ヶ条    野村 修一/NOMURAコンサルティング
【コラム/『開発における品質管理』】           <寄稿>
  何を確認?要件が間違っていたら本末転倒   広川 智理/プラッサム
【コラム/『ブランディングの時代』<#4>】       <寄稿>
  フロントグリルに映る日本的マーケティング 繁 浩太郎/オフィスSHIGE
【F+S Forum/開催予定】 (最新日程はHPをご覧くさい)
  ※お陰様で3月開催は東京・広島とも!満員御礼!となりました
  東 京【第176回】3月4日(水):講演会+交流会
  広 島【第31回】 3月6日(金)〜7日(土):講演会+交流会+GOLF
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 (F+S紹介==> http://www.tru-solutions.jp/F+S_Forum.htm)
   直近日程に参加できなくとも今後の御案内が可能な方へは
 今後の開催案内をお送りいたしますので事務局まで御連絡ください。

■=== 【F+Sメンバー紹介/第158弾】

※自己紹介バックナンバーは以下のURLでご覧ください。
  ==> http://www.tru-solutions.jp/F+S_Home.htm#flash

1)志度 昌宏 / インプレス「IT Leaders」      <東京>

知り合ってから十数年が経ちます。
クセのある方が多い業界にあっては、ずいぶんクセのない人だなあ、
という最初の印象でした。きっと根が真面目なんでしょうね。(*^_^*)
facebookではカブスカウトの話が良く出てきます。
3月のF+S東京で御講演を御願いしています。!満員御礼!

<ご本人からの一言> 

いつもお世話になります。(株)株式会社インプレスで「IT Leaders」誌を
編集しています志度昌宏と申します。以前はF+S東京にも度々
お邪魔させていただいておりましたが、最近は随分とご無沙汰しております。

西嶋さんと初めてお目にかかったのは、ERP推進研究フォーラムへ
取材をお願いしたときだったでしょうか。その後も、西嶋さんへのご連絡は、
当方に何かお願いごとがあるときだけという、失礼ばかりを繰り返しています。

今回、自己紹介の機会を頂戴しましたのも、過日に弊誌イベントへの
出席者をご紹介いただきたいという厚かましいお願いをさせていただいた
ためです。にもかかわらず西嶋さんは常に、当方の視線で物事を考えて
くださり、最善の策を授けてくださるので、またまた次のお願いをして
しまうということになってしまいます。
これこそが、F+Sに多くの方々が集われている理由ですよね。

F+Sの皆様と最も頻繁にお話しさせていただいたのは、
前職で日経ソリューションビジネス誌(誌名は、日経ウォッチャー on
IT Business、日経システムプロバイダという時もありました)の編集に
携わっていた時期でしょう。当時、西嶋さんはじめ、皆様と出会えました
ことが、私の記者としての土台を強くし、幅を広げていただいたと
今も感謝しています。

50才になるのを機に、「IT Leaders」誌にお世話になることにしました。
この転職と前後して、プライベート面でも大きな変化?がありました。

ひとつは、息子の加入をきっかけに手伝い始めたボーイスカウト活動で、
本人がはまってしまい、今ではカブ隊(お馴染みの青い制服を着た
小学校2年生の9月から5年生の9月まで)の隊長を仰せつかっています。
なので私は、12人の小学生の子持ちです。

私が属する「千代田第1団」は、日本で最初にできた「東京第5団」を
起源に持ち、現在は東京の飯田橋から四ッ谷周辺の子供達が集まっています。
アウトドアのイメージが強いかと思いますが、ボランティア活動や、
各種文化の体験、施設見学、工作などを様々な活動に取り組んでいます。

平均月2回のプログラムを決めるのも大変ですが、ボーイスカウト育ちの
リーダー陣はさすがに発想が豊かで、「よくそんなこと思いつくね」と
いったプログラムを私自身が楽しんでいます。
最近のヒット作は、「大江戸線双六「(出た目だけ電車に乗り、駅ごとに
用意された課題に挑戦)」や「ピラミッド作成(段ボール200個で作成。
ただし、200個では子供身長ぐらいにしかなりませんでしたが)でしょうか。

F+Sの皆様の中にも、施設見学や文化体験など、「こんなとこがあるよ」
「これならコーチ役ができますよ」とったご趣味が必ずあると思います。
是非、アドバイス/ご協力などいただければ幸いです。
工場見学やバザー用に商品などを安価にご提供いただけるのも大歓迎です。

もうひとつつの変化はお祭りです。

赤坂にある山王日枝神社のお祭りにご奉仕する「麹町惣町睦」に入れて
いただき、隔年で開かれる「山王祭」での巡行や各町の御神輿渡御などに
計画段階から参加するようになりました。
小さい頃は引っ越しや転校が多く、地元のお祭りも傍目で見るだけ
でしたので、「地元」への憧れが強かったのかもしれません。

山王祭は、2020年の東京オリンピック/パラリンピックの年も開催年に
当たるため、今から、いかに賑々しく実施するかが話題になっています。
また直近では、この3月6日にJR市ヶ谷駅が開業120周年を迎えるに辺り、
翌7日の14時半前後に、市ヶ谷駅に御神輿で繰り込む予定です。
お近くにお立ち寄りの機会がありましたら是非、ご覧ください。

最後になりましたが、3月4日のF+S東京では、
IoT("Internet of Things":モノのインターネット)について、
お話しさせていただく機会も頂戴しました。
IoTをキーワードに、ITの利用範囲は企業から社会、そして個人へと、
ますます広がっていきます。一方で、日本におけるIT活用を広げるには、
これまで以上に“ITのファン層”を広げる必要があると考えています。
そのためには何をどう伝えるか。みなさまのお知恵も拝借させてください。
どうぞ、よろしくお願いします。

2)氏部 辰雄 / クオリカ        <東京>

もともと海外放浪癖があったのですが
最近は月のうち半分は東南アジアにおられます。
何処へでも小さめのバッグひとつで気軽に出かけていきます。
ますます元気な飲んべえオヤジです。(*^_^*)

<ご本人からの一言> 

御無沙汰しております。
2年前からアジアに当社ソリューションを展開するプロデューサとして、
気楽な立場で各地を飛び回っております。
<ノルマ無し、部下無し、お金無しです (*^_^*)>
昨年は、シンガポール、クアラルンプール、バンコク、ジャカルタ、
マニラ、ホーチミン等、延べ120日以上は海外に居りました。

私なりにテーマ毎に印象を述べますと、

「食」については、どこの国もそれぞれ特徴があり、美味しいとは思います
が、フランス食文化とベトナム食文化が融合した「フレンチ風ベトナム料理」
が日本人の舌に合うのではと思います。

「住」むならば、クアラルンプールか、バンコクでしょうか?
シンガポールは安心、安全でインフラも快適ではありますが、兎に角、
物価が高くて生活するには相当の高給取りで無いと大変だと思います。
その点、クアラルンプールはシンガポール並みにインフラも整っており、
物価はシンガポールの半分です。
MM2Hの長期滞在ビザを取得して、リタイア後に居住される日本人も
多いです。バンコクは常に政権がぐらぐらしてはいますが、庶民生活には
支障は全く無く、食も多彩で、ゴルフやナイトライフも楽しめ、
庶民派の私にとっては、とても居心地の良い都市だと思っています。

私は日本酒が好きなので、どこの都市でも居酒屋に入るのですが、
日本酒はとても高いです。300MLでシンガポールだと3,000円位
しますし、ジャカルタに至っては、イスラムなので禁酒で日本酒が手に入り
難いのもありますが、5,000円とかかかったりします。
その点、バンコクは1,500円くらいで飲めます。

「交通」事情で話しますと、6都市の中では、ジャカルタが半端じゃない
渋滞に巻き込まれます。4KMくらいの所を2時間動かずなんて目に合う
こともあります。でも、人口2.4億のスケールで年率6%で伸びています
ので、ビジネスの可能性は一番高いだろうと思います。

この2年間で、「如何に安く、効率的に、手軽に、快適に移動するか?」を
随分と工夫をしてきました。私なりのポイントをいくつか挙げますと、

1)フライト、宿泊の手配は全てWebサイトでその都度、どの行き方、
宿が安いかを確認する。
2)できるだけ工程を長くとり、1回で複数都市を回るようにスケジュールし、
日本からの往復都市は同じ都市にする。一泊余分にかかっても、トータル
での飛行機代はこの方が圧倒的に安い。
3)都市間の移動はできるだけ、土日にする。平日有効に仕事に使えるのと、
土日だと渋滞に巻き込まれる事がまずない。
4)手荷物は出来るだけコンパクトにする。私はトートバック半分くらいの
荷物で、2〜3週間出張しても平気です。1都市2泊あれば、自分で
洗濯をしながら廻ってます。

人にもよるのでしょうが、どうも私は放浪するのが性に合っているようです。
今年も色々廻って見分を広めたいと思っています。
仕事、遊びのいずれでもお声掛けください。ご一緒しましょう。

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■=== 【コラム/『経営者に贈る言葉』<第24回>】

                 野村 修一 nomura-con@outlook.jp
                NOMURAコンサルティング 代表

◆今月の格言:『経営者は厳しさと優しさを兼ね備えるべし』(松下幸之助)

江戸時代の名君の一人である備前岡山の藩主池田光正がこういうことを
言っている。「国家をよく治めようと思えば、指導者には威と恩の二つが
なくてはいけない。威がなくて恩ばかりでは、甘やかされた子供が教訓を
聞かないようなもので、ものの役に立たなくなってしまう。
反対に威を以て厳しくばかりすれば、一応言うことは聞くが、本当には
なつかず、結局うまくいかない。

恩をもってよくなつけ、しかも法度の少しも崩れないように賞罰をおこなう
のを本当の威と言うべきであろう。だから、恩がなければ威も無用となり、
威がなくては恩も役に立たない。ただ、その際大事なのは下情を知ることで、
それがなくては恩といい、威といっても、本当には生きてこないものだ」

光政の言葉にあるように、下情、言い換えれば世間の実情なり人情の機微に
通じてこそ出来るものだ。いずれにしても、指導者はできるだけ厳しさを
少なくして、しかも寛厳よろしきを得ることができるようよう心がける
ことが大事だと思う。

◆特集:「経営者の条件」

日本の中小企業・小規模事業者約420万社の内、8割近くが赤字と言われ
ている。10年以上売り上げが低迷、又は赤字基調から抜け出せず、
倒産又はもがき苦しんでいる企業が山ほどある。その中で、あえなく沈没する
会社は後を立たないが、懸命な想いで再起を図っている会社も少なくない。

いままで、「経営理念・ヴィジョン」、「元気な会社」、「再生する会社」、
「孫子の兵法」、「ランチェスターの法則」、「経営者の役割」をご紹介
してきました。
今回は最終回となりますので、総括として「経営者の条件」を<経営7ケ条>
として要約させていただきます。

<経営7ケ条>

1)何よりもまず健康が一番。健康であることに感謝し、以後も留意すべし。

これは経営者に限らず、すべての人に言えることである。「病気になって
みて初めて健康の有難みがわかる」というが、普段の健康状態であれば
その本当の有難みはなかなかわからないものである。しかし、卓越した
経営者ならば、その意味を理解し、偏らないバランスのとれた食事、
継続的な毎日のウォーキング等健康管理の習慣が身に付いている。

2)貴社の存在理由を今一度見直し、整理し、社員、関係先に提示すべし。

企業を評価する時の経営指標で大切なものは、売上でもなければ利益でもない。
かといって、売上がゼロでもいいと言っているわけではない。企業が存立する
ためには、まず何の目的で、誰のために、何を提供するかを確定し、
従業員のみならず、取引先、株主、金融機関等利害関係者すべてに、
明らかにする必要がある。
この結果、従業員が一丸となって、経営目標を達成しようとする体制、
及び仕組みができあがる。

3)事業計画書、試算表、資金繰り表をもとにキャッシュフロー経営をすべし。

企業が発展、存続するためには、現状を把握・分析した上で、何を、
いつまでにどういう体制で実施するかを事業計画書に表さなければならない。
また、資産、負債の状況を記した試算表、キャッシュベースでの資金出入
記録表が不可欠である。
黒字倒産とかがないよう、B/S,P/Lでの管理、更にキャッシュフロー
ベースの管理をすることにより、より踏み込んだ経営に舵を切ることができる。

4)夢は大きくとも社運を賭けた会社拡大はするべからず。

会社の浮沈を賭けた経営はすべきではない。いくら業績がよいからといって、
足元を見ないで多額の借金をして設備投資に走ると、得てして失敗するもの
である。
例え、見込みの定まらない設備投資をするにしても、絶えず最悪の事態を
想定し、失敗した場合に、対応が取れるようでなければ、思い留まるべき
である。

5)平常時にこそ倒産分岐点を知るべし。
  (家族、知人を連帯保証人にした借り入れはするべからず)

通常、業績がいい時は資金繰り管理が緩慢になりがちである。業績が傾いた
時には資金が不足し、家族、親戚、知人を連帯保証人にした資金借り入れを
行い、期限内に返せないと更に、別の知人へと走りまわることになる。
これで、返済ができればいいが、倒産に陥ると、本人は自己破産、
その借入金の返済は親戚、知人に及ぶことになる。他人に迷惑をかけない
ためにも、平常時に営業利益の10倍を超える借入れをする事態になったら
清算する覚悟をしておくべきである。

6)社内外の経営環境に敏感であるべし。
  (特に社員のモチベーションアップに留意すべし)

経営者である以上、政治、経済、社会に起きる変化に敏感でなければならない。
特に自社の経営計画に影響を及ぼすことが予見されれば、速やかな対応が
必要となる。また、社内での職場環境、業務運営ルール、会議運営、上下の
意思伝達等に気を配らなければならない。
特に、社員のモラル、モチベーションが停滞していれば、ミス、トラブルが
多発する。平生から個人とのコミュニケーションを絶やさないことが大切である。

7)既存顧客に安住せず、経営者自ら新規顧客の開拓に努めるべし。

会社を立ち上げた当初は、経営者が顧客開拓に奔走したものであるが、
それなりに顧客ができてくると、いつまでもその状態が続くものと安住して
しまうものである。卓越した経営者は、例えば最近5年以内の新規顧客が
25%を切れば、自ら顧客開拓に精をだすため、いつまでも会社の業績が
安定する。特に中小企業の場合、会社の顔は経営者であり、会社の業績は
96%〜100%が経営者の実力で決まる。
経営者が注力すべきは新規顧客の開拓である。

以上です。

◆編集後記:『経営者は、今一度「不易流行」を自問自答すべし』

これは松尾芭蕉の言葉で、「基本は変えることなく、時に応じて変えるべき
ところは変えよ」とのこと。つまり、経営者の経営方針としての「不易」が
何かがあいまいだと、バブル時の財テク、製造業の海外移転等、「流行」に
ひた走ることのつけが回ってくる。

これは、五輪書でいう「守・破・離」に通じるところがある。「守」ができ
ていないのに、自分は錯覚して卒業したと思い込み、安易に「破」に移る
経営者が多い。経営者は平常時にこそ、自分にとっての「不易」は何かを
思い定めるべきである。

今回で最終回となります。
拙い内容にも関わらず、最後までお読みいただき有難うございました。
皆さまの更なるご発展と、ご健康を祈念いたしております。

最後までお読みいただき有難うございました。
ご感想・ご意見がありましたら、お気軽に上記メルアドにお願いします。
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■=== 【コラム/『開発における品質管理』】    <寄稿>

                         広川 智理
                     (株)プラッサム 代表取締役
                      http://plussome.co.jp/

   〜 要件が間違っていたら本末転倒 〜

私はITコンサルタントとして多くのユーザー組織のIT導入(開発)
プロジェクトで、SI(System Integration)ベンダー側のプロジェクト管理を
チェックさせて頂く機会を頂戴しています。

しかし、黙っているとSIベンダー企業はテスト工程での計画と実績しか
提示してくれません。そうした数値を見せてくれないSIベンダー企業も
ときどき見かけます。

テスト工程でのテストで発見できるのは、正しくコーディングされているか、
結合テストでモジュール(プログラム)間の処理に矛盾がないか、
総合テストで仕様通り開発されているか程度です。
・・・とは言いながら、それでも多くの問題が見つかるのですが。

ご存じのように、テスト工程では仕様通りに製造されているかどうか
(「Do the things right」)はテストされますが、仕様(仕様書に書かれて
いること)が正しいかどうか(「Do the right things」)はテストの対象
にはなりません。

そうです。総合テストで問題が見つからなくなっても、仕様=要件そのものが
正しかったがどうかは分からないのです。正しい要件(right things)が
定義されていないと、経営に貢献する効果は期待できません。

ですから、要件定義工程での内容の検証(もともとの経営に要求にそって
いるかどうか)や仕様の検証(そのシナリオやロジックで経営の要求を
満たせるか)が必要なのです。

貴社でも要件定義書の検証や仕様書の検証は確かに行われているでしょう。
しかし、それらの検証の目的は正しく理解され、メンバー内で徹底されて
いますか?

もしそれらをユーザー部門の方々に任せている場合には、IT部門の方や
情報システム子会社の方がユーザー部門の方々に正しい助言(目的や重要
ポイントの確認等)を行っていますか?検証の進捗だけに気を取られて
いませんか?

特に目の前の業務に追われている現場のキーパーソンの方々は、
多くの場合、大きな漏れや誤りがないか程度しか確認しません(できません)。
そこをしっかりチェック、サポートするのがIT部門や情報システム子会社の
役割ではないでしょうか。

 <著者略歴> 広川 智理 (ひろかわ ともさと)
 1977年に日本電気(株)入社以来、社内のIT部門に所属し、
 海外を含むNECグループ内の情報システムの開発、保守、運用を
 24年間にわたり担当。
 2001年より(株)ITR シニア・アナリストとして、
 各種リサーチやコンサルティングを実施し、常にユーザ目線での
 問題提起や課題解決への提言を実施。
 2014年4月に現在の(株)プラッサムを設立。

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  組織目標達成のための『勝率アップ・プロジェクト(Project-WIN)』
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   ★☆★ 「組織の活性化」に必要なステップを確実に実施 ★☆★
      http://www.tru-solutions.jp/projectWIN.pdf
     組織の求心力強化とリーダーシップ強化への変革プロセス
  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 *組織全体のビジョン・戦略をきっちり策定(選択と集中)
 *それを下位組織・関連組織へ賢く展開(合意とコミットメント)
 *経営層や部門長のみならず実務管理者レベルまでの意識変革を実施
 *PDCAサイクルを通じた実施改善活動を継続推進する仕組みを構築
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

■=== 【コラム/『ブランディングの時代』<#4>】   <寄稿>

                    繁 浩太郎/オフィスSHIGE
                     sharp5beat@gmail.com
                  ※もとHONDA RAD(商品統括責任者)
                  現在は、モータージャーナリストや
                   ブランドコンサルとして活躍

 〜 自動車のフロントグリルに映る日本的マーケティング 〜

最近の車のフロントグリルにメッキが多いのは、お気づきでしょうか?
特に「ミニバン系」で目立っています。
何故、こんなにメッキが多いのか?国産メーカーのミニバンはメッキだらけ
の顔といっても差し支えないぐらいです。

今回は、メッキの是非ではなく、何故、クルマが異なっても同じように
メッキ顔を採用するのか?ということを、マーケティングの視点から
考察してみます。

★今、自動車のフロントグリルはメッキだらけ、似たもの同士がウケル?

ズバリ、メッキ顔が増殖するわけは、各メーカーがメッキを多用した顔が
「より売れる」と考えているからです。
さらに、メッキ多用という共通項以外でも、ステップワゴンとセレナの
写真を見比べていただくとわかるように、顔だけでなく全体のスタイルも
非常に似ています。この2車はよく売れていて街中でも見かけますが、
プロの私でも見間違えることが時々あります。

何故、こうもメッキグリル、スタイルが似たもの同士になってしまうの
でしょうか?

★現場における顧客ニーズの情報収集が原因?

クルマの印象、イメージを大きく左右するフロントグリルをどうデザイン
するか?スタイリングの方向性を開発段階で決定する際、勿論スタイリスト
の意見が反映されますが、重要な部分であるだけに、開発チームでは
ユーザの意見も取り入れて総合的に判断するのが一般的です。

ユーザの意見の収集方法の一つとして、現場の最前線、つまりセールスの
声を吸い上げる方法があります。これは「メッキにするとユーザの評判が
いい、自社、他社の同種のメッキデザインのクルマの売れ行きがいい」
また「ミニバン系のユーザ層は、しっかりとした自信ありげの顔を好む」とか
言う意見や情報が、販売店のセールス→店長→カーメーカーの営業情報部門
→開発チームという流れで伝わります。この場合、大元であるセールスに
よるお客さま情報の取捨選択スキルがかなり大切になります。

また、別の方法として、開発チームが直接販売現場に出向いて、
セールスから直接情報を得る場合や、直接お客さまに会って意見を聞き、
お客さまの価値観を開発者自身で理解する場合もあります。
いわゆる「現場・現物・現実、3現主義」というものです。

これには机に座って考えるマーケティングより3現主義の方が、
開発担当者が情報をリアルに実感することで、モノの形や仕様を具体化
しやすい、発想しやすいという利点があるからです。

この情報収集アプローチは、各社だいたい大きな差はないのではないか
と思います。結果、このように企画された商品は、自ずとどれも似てくる
ことになります。つまり、各社で良しとされている同じような方法で
顧客ニーズを吸い上げ、それを商品に反映しようとするため、
「同じインプットから同じアウトプット」、必然的に同じようなメッキ顔に
行き着きます。

しかしここで、お客さま自体、本当のところはどう感じているのか?
という疑問が生じます。果たして、お客さまは本心からメッキ顔を欲して
いるのでしょうか?

★お客さまの心理に見える日本人の特性

実の所、お客さまは、フロントグリルの意匠について大して関心を持って
いないのではないか?と私は思いあたりました。

そもそものグリルのデザインに大きな個性を必要としていない、というか
「こうなっているのが、流行りなのね」その中で、「ここが少し違うわね」
くらいの意識なのかもしれません。
車とか他の物を買うとき、「どれがおすすめですか?」とよくお客さまに
聞かれるというセールスの方の話を聞きますが、その場合、お客さまの
デザインを選ぶ心理は「外したくない≒無難」、「だいたい他のみんなと同じ
がいい≒同調」という事かもしれません。

つまり、ステップワゴンのお客さまとセレナのお客さまで言えば、
双方の価値観はほぼ同じで、メッキデザインの良否でなく「どういうグリル
が流行り?流行りはメッキなのね、なら安心。そう言えばメッキは立派で
良いね」が決め手になっているということです。

日本人の特性として、大きく他の人と離れたくない、自分らしさは欲しいが、
多くの人との仲間の中に入っていたい、除け者になりたくない、
だから、できるだけ自分の個性や主張は控えるという傾向があります。
周りを見回すと男性サラリーマンは、紺か黒色系のスーツが多いですが、
これなど、誰が決めたことでもありません。
サラリーマンの各々がそれを良しとしており、そこには、はぐれ者に
なりたくないという心理が働いています。

これは、日本人のルーツである農耕社会で仲間のみんなと力を合わせて
生きてきたことが要因として考えられ、狩猟で生きてきた個人が基本で
ある欧米民族と異なる点ではないかと思います。

★ボツ個性から個性化、価値の多様化へ

テレビの世界でも、選挙があればどの放送局も選挙、テニスの錦織選手が
勝てばどの放送局も特番報道、朝の8時台などもだいたい同じテーマの
ニュース番組、そんな中で、テレビ東京だけはいつも違う、立ち位置が
違います。きっと、番組作りの理念やコンセプトつまりブランドが、
他の放送局と異なるのだと思います。

そのテレビ東京は、「テレ東が、ついに民放の「勝ち組」になった!」という
見出しで、週刊東洋経済編の 2014年11月18日WEB版が出ていました。
内容は「民放キー局5社の2014年4〜9月期(上期)決算の数字が出そろい、
本業の儲けを表す営業利益は3社が減益となる厳しい環境の中、通期の
業績予想を上方修正したのがテレビ東京ホールディングス(HD)・・・」
  
偶然かも知れませんが、この一端から世の中の流れが、「みんなと同じでは
選びようがないし、個性がある方がイイね。なによりこういう人、
こういう会社はわかりやすい。」つまり「何なのかをもっと知りたい」と
思い始めているのではないでしょうか?

それぞれの個性、個別性を受け止め、理解したいという欲求が、
日本の農耕民族の村社会(ボツ個性)から欧米の狩猟で生きてきた民族
(個性化)の方向に向く、つまり価値観の多様化を受容するように変化して
きているように思います。

そんな中では、マーケティングアプローチも従来型の「個性を控えて、
より多くの人を取り込む」から、「個性を訴求し、それに共感する人を
確実に取り込む」に転換する必要があるように強く思います。

★お客さまの頭の中に入り込む

競合他社と差別化し、個性化した商品を開発するためには、お客さまの
頭の中に入り込み、お客さまに「ココはいい」「コレがいい」と言ってもらえる
ような、つまり、お客さまのニーズでなく、まだお客さま自身も気づいて
ない「魅力商品」を創造し、お客さまに提供する事が求められます。

これからの時代のブランド戦略は「商品を通じて顧客と市場を創造する」
ことが最重視されると思われます。

この変化に対応するためには、今までのマーケティング手法を抜本的に
見直し、再構築していかなくてはいけません。

つまり、単にあれが売れている、これが評判いいということではなく、
お客さまの価値観の本質を捕まえて魅力的な商品を作り、お客さまの
先回りをしていて「実は、こういうのが欲しかった」と最終的に言って
もらえるマーケティング手法を再構築すること、それが、結果的に他社と
異なる商品を生み出し、自社のブランドアイデンティティを確立することに
繋がります。同じ顔、ボツ個性の商品が、お客さまに疎まれる時代、
島国で農耕民族だった日本にもとうとう、そういう時代が来ているように
思います。

時代の流れ、今風に言えば時代の空気を読む事は、マーケターにとって
もっとも大切なことの一つです。これは市場調査では掴むことのできない、
マーケターが日々の暮らしでセンス良く感じ取っていくものです。
その意味では、現代のマーケッターは、クリエーターと技術のエキスパート
と言う3つの顔を合わせ持つことが求められます。

マーケターの責務は、「顧客に感動を与える」、「顧客に欲しいと言って
もらえる」価値ある製品を生みだすことです。
市場の動きが激しさを増す今日、マーケティング手法を刷新し、
マーケターのセンス、スキルを、ステップバイステップで着実に向上
させていくことが求められています。

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   直近日程に参加できなくとも今後のご案内が可能な方へは
   今後ご案内差し上げますので事務局まで御連絡ください。

◆開催予定:

お陰をもちまして3月開催は東京・広島とも!満員御礼!となりました。

・東 京【第176回】3月4日(水)@恵比寿「ベリータ」

 ★ <特別講演会> 3月4日(水) 17:30〜18:45  ★
 ★    『「IoT(Internet of Things)のインパクト」』   ★
 ★  志度 昌宏 (株)インプレス「IT Leaders」 副編集長   ★

・広 島【第31回】 3月6日(金)@中町「AGRI」
             7日(土)@三原市「本郷カントリー倶楽部」

 ★ <特別講演会> 3月6日(金) 17:30〜18:45  ★
 ★ 『素人経営者から本物になるための、7つのポイント』  ★
 ★  小野 秀幸 (株)BSLシステム研究所 代表取締役   ★

・東 京【第177回】4月15日(水):講演会+交流会@会場未定

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   参加者のご紹介や【F+S Flash】のバックナンバーは上記URLで
  各種有益な情報提供やイベント等の告知があればお知らせください
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編集後記: あと1ヶ月で今年度も終わります。早いですねえ。アベノミクス
の化けの皮がはがされるのも時間の問題。120円/米$になろうとする円安
基調はしばらく続きそうです。原油が下がっているので助かってはいますが
コレが上昇に転じると物価上昇がやり玉に挙げられるのは目に見えています。
東日本大震災から、間もなく4年が経過しようとしている。日本という国の
行方さえ左右するエネルギーのベストミックスを探ることは重要な課題のはず
なのだが、原発の再稼働問題だけでなく再生可能エネルギーの可能性も含めて
方向性は見えていない。当面は火力主体でいくにしても、近い将来はどうする
のか?適切なエネルギー選択の議論と判断が求められていることは間違いない。

※さくら開花予想 ==> http://sakura.weathermap.jp/

 今年の桜は、『平年並みか早く』咲く所が多いでしょう。
 ただ、九州や中国、四国、北陸地方では比較的早い開花となった
 『去年よりは遅く咲く傾向』です。
 このあと3月にかけての気温は、寒暖の波はあるものの、平均すると
 平年並みか少し高くなりそうです。

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    ※当社の研修の特徴
      1)全て・・・考えるワークショップ型
      2)全て・・・気付きを促す自己変革型
      3)全て・・・実践に即結びつくコミットメント型
      4)全て・・・小難しい理論排除のシンプル型
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