F+S Flash
(Vol.184)



============================= CONTENTS =============================
【F+Sメンバー紹介/第152弾】
  北村 祥三 / BCC        <広島>
【コラム/『【経営者に贈る言葉】<第17回>』】     <寄稿>
  借入は営業利益の10年分が限度  野村 修一/NOMURAコンサルティング
【セミナー/『超高速開発が企業システムに革命を起こす』】(8/6開催)
  なぜ、情報システム導入の7割以上が失敗するのか?
【コラム/『職場より家庭がストレス?』】日経ビジネスONLINE要約
  変えてみよう!効果的な家族揃っての朝食  湊 伸悟/ビジネスコーチ
======================================================================

■=== 【F+Sメンバー紹介/第152弾】

※自己紹介バックナンバーは以下のURLでご覧ください。
 http://www.tru-solutions.jp/F+S_Home.htm#flash

1)北村 祥三 / BCC        <広島>

災い転じて福と成す。当時はイヤだったことが、ずっ〜と後になって
あの経験が役に立った、と感じることはあるものです。
成功体験よりも失敗体験の方が印象に残っているのでそう感じるのかも
知れませんが、失敗の積み重ねが成功に繋がっているのも確かです。

<ご本人からの一言> 

F+S広島に時々参加させて頂いていました北村祥三と申します。
時々と言っても、本来の目的である交流会には一度も参加せず、
専らゴルフのみに参加という不届き者です。
2006年に広島県情報産業協会の理事に選任され、協会活動に参画することに
なった結果、F+S広島の世話役をされているハイエレコン福井さんと
知り合いになり、このご縁でこの会に参加(と言っても上述の如くゴルフ
のみですが)させて頂く事になった次第です。

交流会には一度は参加を、、、と思っていましたが、広島県東部福山市に
在住し、また花金の開催で別件(会食やら飲み会)と重なることも多く、
実現しないまま今日に至っております。

さて、冒頭過去形表現しましたのは、去る6月17日で所属していました
(株)ビーシーシーの役員待遇を退任、退職し、日々サンデーのライフスタイル
となった今では、本来異業種交流を主旨としたF+S広島に参加する資格が
あるかどうか迷っているためです。

話変わりますが、今までの職歴を少し話させて頂き、
自己紹介に代えさせて頂きます。

1974年4月三菱電機(株)に入社し、同社福山製作所に配属となりました。
ご記憶ある方もいらっしゃると思いますが、
この前年が第一次オイルショックの起きた年であり、ガソリンが超高騰し
トイレットペーパー騒動が起きたり、年末に向けては神戸の百万ドルの
夜景が消えてしまったり、TVの深夜時間帯の放送制限がなされたりと、
今まで経験したことのなかった色々な事が起き、当然景気は急速に減速した
年でした。

従い、配属先の選定は、本人の希望はさておき経費節減のため少しでも
地縁のある製作所へ配属となり、福山市出身の私は即福山製作所となった
次第です。入社後3年間位は世の中景気も悪く、当然ながら新入社員が
残業など命ぜられることはなく、週4〜5日、年間200数十日テニスに
明け暮れた事も今となっては良い思い出です。

振り返ってみればこの時のテニス漬けが今の体力の源となり、また
ゴルフスイングの基礎となっており、何が幸いするか判らないもんだと
改めて思っています。

4年目に、当時急速に拡大して行ったマイクロプロセッサ搭載の産業用
電子機器の開発設計の担当に変わり、爾来退職するまでほぼこの線に
沿った仕事をこなしてきました。最初の製品は、東京電力向けの特高圧
/高圧電力需要家用電力監視制御装置で、仕様、性能、機能の向上、
拡張をするため毎年新製品の開発、市場投入を4年間継続しました。
この時の開発では、電子回路とそれを載せる基板の設計、筐体のデザイン
から構造に至る設計、そして最後にマイクロプロセッサのプログラム
設計開発と一人で全てを担当し、試作段階から量産、市場投入、挙句は
クレーム対応と一人で何役もやりましたが、この経験がその後多いに
役立ちました。

その後1982年から産業用組立ロボット、1985年からインクシートと
サーマルヘッドを使う熱転写式(フル)カラープリンターの開発、事業化に
関わって来ました。このプリンター事業が私にとって最も有意義な時期を
過ごす事が出来たと思いますが、誌面の都合で省略します。

31年間勤務した三菱電機(株)を2005年3月末定年退職し、関係会社である
(株)ビーシーシーに転籍、先ほど申し上げたような今日に至っている
次第です。

時間的にフリーになった今、F+S広島の交流会には一度は参加をと
思っていますがどうなることやら。F+Sの今後益々の発展と
皆様のご健勝をお祈りし、拙い自己紹介を閉じさせて頂きます。

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■=== 【コラム/『【経営者に贈る言葉】<第17回>』】

                 野村 修一 nomura-con@outlook.jp
                NOMURAコンサルティング 代表

  〜!借り入れは営業利益の10年分が限度!〜 

◆今月の言葉:
 『借り入れが営業利益の10年分以上あれば、覚悟を決めてください』

日本の中小企業(小規模事業者含む)約420万社の内、8割近くが赤字
とのこと。経営者たる者、冷静かつ客観的に自社の現状、及び5年先を
見極めなければならない。

まずは、借金が営業利益の10倍以上あれば、確定した売上見込みがない
限り会社を清算すべきである。

また、借金如何に関わらず、3年連続で営業利益が出ていない場合も
同様である。この局面にあって頑張れば頑張るほど、従業員、家族、
取引先に迷惑をかけるだけである。

会社破産をした経営者は10人の内10人とも、もっとはやく清算するべき
だったと後悔している。

◆今月のテーマ:『ランチェスターの法則』(5)

日本の中小企業・小規模事業者約420万社の内、8割近くが赤字と言われ
ている。10年以上売り上げが低迷、又は赤字基調から抜け出せず、
倒産又はもがき苦しんでいる企業が山ほどある。
その中で、あえなく沈没する会社は後を立たないが、懸命な想いで再起を
図っている会社も少なくない。

今回で、そんな会社の経営者が目の前の荒波を乗り切る経営方策の一つ
として拠り所にしている『ランチェスターの法則』の締めくくりとしたい。

【従業員30人までの会社と社長の実力】

戦略を立てることは社長の仕事というのはわかるが、実際に仕事として動く、
戦術に当たる部分は社長の仕事なのだろうか?ランチェスター法則では、社長の
仕事の割合を従業員数別に分けている。

1)従業員1〜9人
   社長と部下が一緒の平屋建て組織となり、戦術行為もすべて社長が行う。
   (社長の実力・・・99〜100%)
2)従業員10〜29人
   社長をトップに部下との2階建て組織となり、戦術リーダを兼ねるが
   戦術行為は行わない。(社長の実力・・・98%)
3)従業員30〜99人
   社長の下に戦術リーダー、その下に戦術行為を行う部下がいる
   3階建て組織となり、戦術部分は行わない。(社長の実力・・・96%)

96〜100%が社長の実力で決まるのには理由がある。

社長が行う実行の内容と実行手順のウェイト付けをすると、
戦術部分は7%しかないからだ。この7%を従業員別にさらにウェイト付け
したものが96〜100%になる。

さらに、従業員の教育・訓練に関しては100%社長の仕事になる。
特に従業員30人までの会社では、社長が戦術リーダーを兼ねているので、
戦術についての教育・訓練はすべて社長が直接しなければならない
ということになる。
この時、戦術の効率性を高めるための仕組みつくりをしておくことが重要
になる。顧客起点で考えた仕組み作りは、ランチェスターで成功している
多くの社長が実践している取り組みである。

以上です。次回からは、『社長の役割』をご紹介しますので
お楽しみにしてください。

◆おわりに

『君子は内面の美しさが見かけに滲み出るが、
   小人は見かけの取り繕いにのみこだわり、内面から目を背ける』

経営者のY氏は自らの役割を思い日々実践の人であるが、
特に従業員に対する思いやりが凄い。
それは従業員に接するとよくわかる。

Y氏の表情は感謝に溢れ、にこやかな笑顔は眩い限りである。
他方、K氏は同じ経営者であるが、仕事は部下任せ、いつも高価な
スーツを纏い人付き合いに忙しい。

人の美しさとは外面と内面のバランスがもたらす、魂を揺さぶる感動
であり憧憬である。内面から滲み出る美しさは人を感動させるが、
見かけだけの取り繕いは人を落胆させるのみである。

最後までお読みいただき有難うございました。
ご感想・ご意見がありましたら、お気軽に上記メルアドにお願いします。
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■=== 【セミナー/『超高速開発が企業システムに革命を起こす』(8/6)】

                    細野秀主/ドリームIT研究所
                    hidekazu.hosono@dream-biz.jp

皆様 お世話になります。
ICT経営パートナーズ協会、パートナーの細野です。
本日のご案内は、超高速開発に関する本とセミナーのご案内です。

先月、一般社団法人ICT経営パートナーズ協会から、
「超高速開発が企業システムに革命を起こす」という本を上梓しました。
(共著です)  http://www.ictm-pa.jp/

この6月4日には、業界団体や政府機関、IT企業やコンサルタント、
ITコーディネータなど、140名を超える多くの方にお集まりいただいて、
出版記念パーティを盛大に催しました。

『超高速開発』は、今後、ユーザー主体開発が進むにつれて、
企業や行政組織において、大きな潮流になりえるものとの期待が大きくなり
つつあります。皆様方にも是非お読みいただきたいですし、
皆様方のお知り合いにも是非お薦めいただければと思っております。

ICT経営パートナーズ協会では、この本の執筆に関係した著者を中心に、
超高速開発に関するセミナーを開催することにいたしました。
東京商工会議所様のご支援を得て、セミナーを開催します。
ITコーディネータ協会の後援もいただきましたので、ITCの方々には
研修ポイントも付与されます。

無料ですので、是非、東京商工会議所のWebサイトよりお申込みください。
 ==> http://event.tokyo-cci.or.jp/event_detail-57549.html

<セミナー開催概要>

日 程:2014年8月6日(水) 18:00〜19:30
タイトル:なぜ、情報システム導入の7割以上が失敗するのか
      〜超高速開発と超高速要求定義の有効性〜
講 師:木村 礼壮 ドリームIT研究所 CEO、
     (株)エスペラント 代表取締役。
     公認内部監査人(CIA)、公認情報システム監査人(CISA)
会 場:東京商工会議所ビル 1F クラウドワーク・スクエア
参加費:無料(ただし、限定30名)

情報システムの構築は、70%以上が失敗プロジェクトという統計がでています。
更に、60%以上の機能は、全く、あるいは殆ど使われないとの統計もあります。
そのような苦い思いを避けるための要求定義が必要です。
開発をする前に利害関係者間の意識合わせ、費用対効果の算定、現状の姿と
あるべき姿の作成、と色々と煩雑な情報を整理していかなければなりません。

そもそも、情報システムを開発する目的をどうやって設定すべきなのかという
問題もあります。それらを個人のスキルに頼っていませんか?

要求定義を3つのモデルに分けて考え、個人のスキルに依存せずに要求定義を
リポジトリ化していく方法論を超高速開発の関連性を含めて説明いたします。
今回お話しする手法はITだけではなく、多くの決定支援に役立てることが
できます。

◆超高速開発が企業システムに革命を起こす

必要な情報システムをスピーデイに開発し、柔軟に変えていくことのできる
手段として、超高速開発という考え方とそれを支える超高速開発ツールが
注目を浴びています。

ここでいう「超高速開発」とは、単にプログラムを自動生成する機能だけ
ではなく、業務のデザインから運用・保守工程をも含めたシステム・ライフ
サイクル全般にわたる生産性向上と継続的品質改善のやり方を意味します。

ユーザ企業はもちろん、今までプログラミングの知識がないという理由で
システム開発を対象外と考えていた経営指導の専門家の人達にとっても、
経営や業務知識をベースに情報システム開発が行える有力な方法になる
可能性があります。

2013年8月にソフトウェアの生産性を高める超高速開発ツールベンダ13社が
集まって、「超高速開発コミュニティ」が発足しましたが、
本書はそのコミュニティのまとめ役であるICT経営パートナーズ協会
(会長は元NECソフト社長・会長、元ITコーディネータ協会会長の関隆明氏)
のメンバーが分担して原稿執筆にあたりました。
また付録には、ベンダの寄稿による各社のツールの概要をまとめています。

 ・超高速開発コミッティ(xRAD)==> https://www.x-rad.jp/

 ★「超高速開発が企業システムに革命を起こす」
   http://ec.nikkeibp.co.jp/item/books/P96270.html
   http://www.amazon.co.jp/dp/482229627X/
  関隆明 監修 一般社団法人ICT経営パートナーズ協会 著
  価格:2,700円(税込)、 ISBN:978-4-8222-9627-8
  発行元:日経BP社、 発行日:2014/05/19

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■=== 【コラム/『職場より家庭がストレス?』】

                 湊 伸悟 sminato@businesscoach.co.jp
                    ビジネスコーチ(株) 顧問

 職場のストレスを癒してくれるのが家庭と
 思っていましたら、その逆であると研究結果、
 新しい家族のあり方が必要そうですね。
 
  ==========================
  「職場より家庭がストレス?」 最新研究の驚くべき結果
  ==========================
   〜働き方だけでなく、新しい家族のあり方も考えたい〜

河合 薫(かわい・かおる)
 健康社会学者(Ph.D.,保健学)、気象予報士
 1988年、千葉大学教育学部を卒業後、全日本空輸に入社。
 気象予報士としてテレビ朝日系「ニュースステーション」などに出演。
 2004年東京大学大学院医学系研究科修士課程修了、2007年博士課程修了(Ph.D)
 産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を
 進めてい働く人々のインタビューをフィールドワークとし、
 その数は600人に迫る。
 
 日経ビジネスONLINE ==>
 http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20140606/266407/

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★「家庭より、職場の方が、ストレスがない?」

こんな衝撃的な研究結果が、先日、米ペンシルベニア州立大学の研究チーム
により明らかにされた。ストレスホルモンと呼ばれる“コルチゾール”が、
家庭にいる時の方が恒常的にかなり多く分泌されていたのである。
しかも、この傾向は、
 ・性別
 ・婚姻の有無
 ・子どもの有無
 ・職務満足感の高低
に関係なく認められ、さらに、より多くの女性が、
「家庭にいるときより、職場にいるときの方が、ハッピーな気持ちだわぁ〜」
と答えたのだ。

「マジ?」と、疑いたくなるこの論文は、タイム誌でも取り上げられ、
アメリカで議論を巻き起こしている。

「それってアメリカ人だけの話なんじゃない? 僕は断然、会社の方がストレス」
と、真っ向から異を唱えた人もいれば、「わかるわぁ〜!! だって家に帰る
と、あれやって、これやって、ひっきりなしに女房に言われて、正直、疲れる」
「ダンナが家事を手伝ってくれないと、確かに、ストレス溜まるよね〜」
「っていうか、仕事は論理的に考えれば、なんとか解決できるけど、
 家庭の問題って、なかなか思うようにいかないからなぁ……」
「でも、結婚していない人でも、家庭のほうがストレスってどういうこと? 
 あ〜、でも、うん、なんかちょっとだけ分かる気がするわ〜。
 一人でテレビ見ながらコンビニ弁当食べてるときなんて、
 異常に虚しくなるし〜」
等々、「なんとなく分かる〜〜」派も多かったに違いない。

確かに、仕事は大変だし、ストレスはある。でも、家庭が常にくつろぎの場
とは限らない。

なんせ、仕事に疲れ切って家に帰った途端に、“セカンドシフト(第2の勤務)”が始まるのだ。やれ、食事の準備だ! それ、皿洗いだ! ほれ、ゴミ捨てだ!
子どもの宿題だ!と、限られた時間で、次々を“勤務”をこなさなければ
ならない。
「家庭の時間を大切にしたい」という気持ちと、
「ゆっくり1人で休みたい」という願望が、入り乱れる。

家庭は大事。家庭は大切にしたい。でも……。
そんな葛藤に、心と身体が悲鳴を上げるのだ。
そこで、今回は「家庭のストレス」について、研究結果をもとに
あれこれ考えてみようと思う。

★職場はホッとできる場所?

「もはや、家庭ではなく、職場がホッとできる場所?ホックシールドが提唱
した、「時間の板挟み状態(Time Bind)」を、客観的なストレス指標に
よって再検証する」といった感じになる。

Time Bindとは、「共働き家庭の壮絶な忙しさと、心の葛藤」を意味し、
米カリフォルニア大学名誉教授のホックシールドが、1997年に、著書
「The Time Bind: When Work Becomes Home and Home Becomes Work」の中で、初めて使ったもの。副題に「職場と家庭の逆転現象=When Work Becomes
Home and Home Becomes Work」なんて刺激的なタイトルをつけたこともあり、
全米で一大センセーショナルを巻き起こした。

「家族が一番」と考えながらも、「仕事との関係性を深めていく」いう、
実に興味深い人間の心理に、多くの人たちが共感したのだ。

★ホルモンの値でストレスを客観的に評価

その「職場と家庭の逆転現象」を、ペンシルベニア州立大学の研究チームは、
次のリサーチクエスチョンのもと、再検証した。

 ・それって、母親たちだけに起きていることなのか?
 ・子どもの有無は、関係しているのか?
 ・独身の人たちは、どうなのか?
 ・職務満足感と、関係あるのか?

研究グループは、1日6回、決められた時間にアラームが鳴るように設定
されたタブレットを被験者に配った。
被験者は、アラームが鳴ると、
1)場所(仕事or 家庭)、
2)気分(ハッピーかどうか? を6段階で評価)、
3)ストレス(ストレスを感じているかどうか? を6段階で評価)、
4)コルチゾール値(頬をこすり測る)、
の4項目を端末に記録するように指示されている。

多くのワークライフバランス研究が、「仕事に没頭したいのにできない」、
「家庭に時間を費やしたいのにできない」といった、仕事と家庭の軋轢
(ワークライフコンフリクト=WLC)から職場や家庭生活に及ぼすストレス
度合いを検証しているのに対し、この調査では、EMAを生かし、
その場(職場 or 家庭)の記録を、統計的に比較したのだ。

で、その結果、以下の事柄が明らかになったのである。

1)性別、既婚・未婚、子どもの有無に関係なく、職場にいるときの方が
  家庭にいるときより、コルチゾール値が低かった。

2)既婚者を、「子どものいる人」と「いない人」に分けて分析した結果、
  どちらも「職場」のコルチゾール値の方が低かったが、子どものいる
  グループでは、その差が小さかった。

3)男性と女性に分けて分析した結果、どちらも「職場」でのコルチゾール
  値の方が低かったが、
  女性が「職場」でポジティブな気分を感じていたのに対し、
  男性は「家庭」だった。

4)収入を高中低の3つのグループに分けて分析した結果、
  すべてのグループで「職場」のコルチゾール値の方が低かったが、
  収入が高いグループでは、その差が小さかった。

★家の仕事は報いが少ない?

これらの結果を受け、研究グループのリーダーであるダスマク准教授は、
次のようにコメントしている。

「職場にいるときのほうが家庭にいるときより、コルチゾール値が低い
という結果は、ホックシールドの仮説と一致するものである。
また、それがワーキングマザーだけでなく、未婚者や男性にも示されたこと
は、『働くことは健康をプラスに導く』とする従来の理論を、裏付ける結果
と解釈できる」

「職場の仕事が有償であるのに対し、家庭の仕事は退屈でそれほど報いの
あるものではない。それが、家庭のストレス度を高めている可能性は高い。
特に女性は、家事や育児をより多く担っている分ストレスも多く、職場に
いる方がホッとできるのだろう」

★職場と家庭の逆転?

家事は退屈で報いがない……か。
「ちょっと主婦の仕事を舐めないでよ!」と、このコメントに口を尖らせて
いる人もいるに違いない。

少しばかり補足しておくと、ダスマク准教授の見解は、「時間の板挟み状態(Time Bind)」の中に書かれていたホックシールド名誉教授の指摘を、
シンプルかつ、彼の言葉で表現したもの。
つまり、何も「家事は無意味だ!」「家庭生活は不毛だ!」と言ってるわけ
じゃない。

人を大切にする企業であればあるほど、「やればやっただけ」評価し、
職場の人間関係を円滑にし、
「家庭を犠牲にしなくていいぞ。自分のペースで働いてくれ」と、
さまざまな制度を充実させ、やさしい言葉を投げかけた。
その結果、働く人たちにとって、職場は、魅力的な場所になった。

一方、仕事で疲れ果てて家に帰っても、やさしい言葉でねぎらってくれる人
は誰もいない。常に時間に追われ、夫とは家事や育児で度々衝突し、
反抗期の子どもに悩まされる。

仕事以上に、思った通りにことは運ばない。

★家庭の息苦しさから逃れたくて仕事に没頭

「家庭がいちばん」「家族との時間を大切にしたい」と思いながらも、
家庭にいるときの息苦しさから逃れたくて、仕事に没頭する。
「子どもに悪い」「夫に申し訳ない」と思いながらも、仕事を選ぶ
“もうひとりの自分”がいる。

「労働が苦痛でしかないよりは、仕事の喜びを感じ、職場で誇りを持てる
方が幸せだろう。だが、これは子どもの犠牲のうえに成立している。
職場環境の改善ばかりが注目されるが、家庭のあり方も同時に考えるべきじゃないのか?」そう、ホックシールドは世間に訴えたのである。

家庭と両立させるために、私たちは、職場環境の改善にはつとめるが
(今なお、その試みは半分にも到達していない企業も多いが……)、
家庭生活の改善に、どこまで取り組めているのだろうか?
家庭でもっと充足感を得るには、どうしたらいいのか?
家族とは何か? そんな疑問を、投げかけたのだ。

確かに、研究グループが指摘するように、「仕事」には、人間の健康を向上
させる効果があるのは、古くから多くの学者たちによって確かめられてきたし、
私自身、「仕事でしか得られない満足感ってある」と常々感じているので、
ダスマク准教授の見解に賛成ではある。

だが、もっと「家庭」の要因の考察を、深めてもよかったのではないか。
家庭でストレスを感じている“謎”に、もっと言及すべきだったと思う。

かつての「家庭」にあって、今の「家庭」にないもの。
職場にあって、家庭にないもの。それって、何?

私は、家庭には「ルーティン(日常の習慣)」がない! 
いや、消えつつある。そう考えている。

ルーティンとは、2人以上のメンバーを巻き込んだ観察可能な日々の反復性
のある行動で、平たく言うと、「日々の“当たり前”を、誰かと一緒にやる
のが当たり前になっている」ことである。

★「朝食を家族でとる」子どもはストレスに強い

例えば、朝食。かつて、朝食は家族で取るのが当たり前だった。
私が子どものときは、父親は起きたときには既に会社に行っていたが、
母と兄と3人で毎朝、当たり前のように朝食を食べた。

だが、最近は1人で朝食を食べる子どもがいたり、ご飯を食べずに父親は
会社に行ったり、それぞれの生活時間に合わせて、効率的に“朝”を過ごして
いる。

実は、家族で朝食をとることは、家族のメンバーの結びつきを強め、
人生満足度を高め、ストレス対処力を向上させることが、国内外の調査で
明らかになっているのだ。

私の大学院の指導教官だった山崎喜比古先生が、1990年に行った調査でも、
「家族で朝食をとる」ことの重要性が示され、当時、
「帰宅遅くとも大丈夫?!」という見出しで報じられ話題になった。

出宅は午前7時54分、帰宅は22時26分と、帰宅のかなり遅い夫でも、
「朝食だけは家族揃ってとっている」とした家庭では、夫婦間の満足度が高く、
家族の結びつきが強かったのである。

また、少ないサンプルではあるが、私が行ったインタビュー調査でも、
家族で朝食をとっている家庭では、「行ってきます」「行っていらっしゃい」、
「ただいま」「お帰り」という当たり前の会話があり、余暇はリビングなどで、
家族でテレビを見たり世間話をしたりする傾向が認められていた。

そして、何よりも、家族のメンバーの人生満足度が高かった。

なぜ、朝食なのか? その明確なメカニズムはわかっていない。
だが、1人でご飯を食べるより、誰かと一緒のほうが美味しいし、
1人で歯を磨くより、誰かと一緒に磨くほうが楽しい。

朝食を食べるルーティンがあれば、前日の“穴”だって、埋めることができる。
「昨日は遅くなってごめん」「昨日は、言い過ぎて悪かった」。
そんなポジティブな感情にリセットするための装置が、朝食にある。
そんな風に考えることはできないだろうか?

1人暮らしが増え、核家族が当たり前になり、朝の忙しい時間を、
「効率的に使いたい!」という気持ちが、いくつものルーティンを葬った。
だって、ルーティンがなくとも困ることは一つもないし、
何よりもめんどくさい。
そんななくなっても困らない、めんどくさいことの中に、

私たちの心の栄養分となる“大切なモノ”があったのかもしれない、
などと思ったりもする。

ちなみに、私は数年前から、「携帯メールを覚えるために」と始めた、
父からの“おはようメール”が、毎朝のルーティンになっている。
「おはよ―(*^^)v 今日はパパは何の予定もありません!」
「おはよー(*^^)v昨日はゴルフコンペで優勝して、最高でした!」――。
そんな父からのノー天気メールに、忙しい朝の時間に返信するのは、
正直めんどくさい。だが、父親の新たな一面を発見できたり、
思わずクスリと笑ってしまうこともある。

いずれにしても、新しい働き方を模索するように、新しい家族、
家庭のあり方をあれこれ考えてみる価値は十分ある。

だって、「職場のほうがストレスがない」だなんて、
ちょいと、虚しいじゃないですか……。

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       http://www.tru-solutions.jp/tru-101.htm
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 発想力(新しい視点で物事をとらえるアイディアを生み出す力)を養い、
 課題発見力(何をすべきかの本質を見極める力)と課題解決力を磨きます
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■=== 【F+S Forum/開催日程】

 ★☆★ 各地の新規メンバー勧誘を是非ともお願いします ★☆★

◆開催予定:  <最新情報はHPでご確認ください>

・東 京【第173回】 9月 3日(水)@恵比寿「ベリータ」
・広 島【第30回】 11月14日(金)〜15日(土)@<未定>
・名古屋【第44回】 未定(8月?)@新栄.「ガバチョ」<音楽の夕べ>
・大 阪【第62回】 未定(8月?)@梅田.「エスカイヤ駅前第3ビル店」

 ★  <特別講演会> 9月3日(水) 17:30〜18:45   ★
 ★    『超高速開発が企業システムに革命を起こす』     ★
 ★ 〜変化のスピードに合わないシステム構築期間を大幅に短縮〜 ★
 ★   細野 秀主 ドリームIT研究所 シニアエバンジェリスト  ★

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  「人が創る」を合い言葉に、「F+S Forum」を通じてより良い社会へ
       http://www.TRU-Solutions.jp/F+S_Forum.htm
   参加者のご紹介や【F+S Flash】のバックナンバーは上記URLで
  各種有益な情報提供やイベント等の告知があればお知らせください
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編集後記: iPad mini retinaを先月買った。docomo新料金で安く使えるのと、
もう一つ理由があって契約したのだが、1ヶ月使ってみての感想は、今まで見
る必要の無かった(家に帰ってPCで見れば良かった)ことが外出時にできる。
便利なのだが、本当に必要か?と自問自答してみると、答えは「無くても良い」
だった。ITは便利だが、生活や人生を豊にしていない気がする。確かに時間
潰しはできるが老眼の目には辛い。契約が2年縛りなので暫く使うしかない。
生産性が上がらない理由がコレだ!必要な時だけ使う!コレが難しい。無駄に
使ってしまう。人間の弱さが露見している。電車などで半分位の人がスマホを
見ているが、ほとんどがゲームに熱中。仕事にこの集中力が活かせたら生産性
は大幅に向上するだろうなあ!と思うのは私だけだろうか?ITを減らしても
生産性は変わらないだろうし、その分を人間性の向上努力に向けるのが正解!

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