F+S Flash
(Vol.180)


============================= CONTENTS =============================
【F+Sメンバー紹介/第149弾】
  渡邊 正之 / ディスタント・ビュー      <東京>
  持田 敏之 / NECネクサソリューションズ  <東京>
【コラム/『!プロジェクトは「社長」で失敗する!<第6回>』】<寄稿>
  経営学の視点に基づく経営者の支援行動  栗山 敏//北海道情報大学
【コラム/『【経営者に贈る言葉】<第14回>』】      <寄稿>
  商いの基本はファンづくり    野村 修一/NOMURAコンサルティング
【コラム/『「組織の活性化」への三種の神器』<#2>】
  ヒトを選んで、考えるテーマを常に与えよう!   西嶋 陽一/TRU
【F+S Forum/開催予定】 (最新日程はHPをご覧くさい)
  広 島【第29回】 6月 6日(金)@立町.「ラグーン」
    <懇親ゴルフ>    7日(土)@三原.「本郷カントリー倶楽部」
  東 京【第172回】6月25日(水)@恵比寿.「ベリータ」
    <特別講演会>   25日(水) 江田 康雄/天賞堂 取締役
           『銀座で135年の老舗が問うブランド戦略とは?』
           〜「Japan Brand」、「Made in GINZA」へのこだわり〜
======================================================================

■=== 【F+Sメンバー紹介/第149弾】

※自己紹介バックナンバーは以下のURLでご覧ください。
 http://www.tru-solutions.jp/F+S_Home.htm#flash

1)渡邊 正之 / ディスタント・ビュー      <東京>

見るからにたいへん真面目な方です。
でも、東京湾に沈まなくって良かったですね(*^_^*)。
もう若くもないので腰を痛めるほど無理をされませんように!!

<ご本人からの一言> 

こんにちは、(株)ディスタント・ビューの渡邊正之です。
4月のF+S東京で講演をされたジャパンラーニング中川様のご紹介で
昨年10月より参加させていただいております。
この原稿は、最近痛めた腰をかばい、傾いた状態で書いております。

最初に自己紹介。
・1965年12月18日生まれ48歳
・千葉出身、都内や横浜を経て、現在印西市(千葉)在住
・妻・長男(大4)・長女(大2)・次男(高2)・三男(雑種犬4歳)
・日曜大工とバイクが趣味

私は高校卒業後、電々公社に入社しました。
技術部門に配属、通信設備の建設や電話機の保守などの業務携わっており
ました。入社の翌年に民営化し、その翌年にNTTとIBMの合弁会社に
出向しました。ここが私のIT経験のスタートとなります。

金融機関を担当する営業として、様々な経験をしました。
その中でも忘れられない出来事は、消費者金融会社様にシステムを導入した
際、ちょっとした行き違いが発生。そのまま客先で監禁されたことです。
解決できなければ、体に錘をつけられ海に沈められるのでは・・・という
恐怖の中で過ごした10時間の経験は、その後の人生におけるありがたい
ネタとなっております。

7年半の出向後、NTTに復帰。
大手法人向けの営業部門で、営業やPMを担当しました。
3年が経過したある日、出向時代に知り合った方から、

「必要なモノ、カネは用意するから、あなたに会社をやってもらいたい」

と声を掛けられ、何度もお断りしたものの半年かけて口説かれ、1998年、
32歳の時にNTTを退職、同時に会社を設立しました。

社名【ディスタント・ビュー=遠望】は、その日暮らしの日々を過ごして
いた自分に対し今後はそれを繰り返さぬよう戒めの意味を込め命名しました。

創業以来、受託開発、インフラ構築、エンジニア派遣等、法人向けに
各種ITサービスを提供して参りました。
一昨年、大手コンサルファームに属していたコンサルタント3名を招き入れ、
より上流からのサービス提供を実現させております。

更に、新しいことにも挑戦したいという思いのもと、
2つの新規事業を開始しております。

★食品通販サイト OrangeTable     < http://orangetable.jp/ >
 ==>1本(180cc)千円の高級トマトジュースやお笑い芸人とのコラボで
  開発したオリジナル餃子などを販売中。

★軽貨物運送サービス OrangeExpress < http://orangeexpress.jp/ >
 ==>IT事業で発生する機器運搬を担う他、この4月からは埼玉県内の
  郵便局から委託を受け、宅配便(ゆうパック)の配送を行っております。
  ちなみに、私自身も作業着を着てハンドルを握り、モノを運ぶことが
  あります。実はこの腰、その際に痛めました・・・悲しいです。

現在、社員、契約社員合わせて56名。
これからも熱く、楽しく取り組んで参ります。
ディスタント・ビューと渡邊正之をよろしくお願いいたします。

2)持田 敏之 / NECネクサソリューションズ     <東京>

テニス一辺倒だったのが還暦を機にゴルフ熱が発病したようです。
何事もテクニックの向上に向けた集中力が素晴らしい方です。
でも、左利き用の道具は選択枝が少なく価格も高いのが悩みのようです。

<ご本人からの一言> 

F+S東京では音楽隊所属の持田です(*^_^*)。
昨年還暦を向かえ、セカンドライフ1年目に突入しています。
でも、優雅に余生を過ごしているわけではなく、
定年退職後に再雇用となり以前からの仕事を継続しています。

IT業界に37年もお世話になっているので恩返しのつもりで
いろいろな企業に訪問し、自分のできる範囲でお役に立てそうなことを
やっています。
最近は、ITに関する中期的計画の立案とか、システム導入(入替)に
あたっての企画書作成のお手伝いとかが非常に多くなりました。

過去のIT投資に対する効果に疑問をもたれている企業が多いのですね。
ベンダーの責任も大きいと思います。
成果をコミットすることもなく、投資対効果を提示することもなく、
例えば単に老朽化を理由にシステム入替するなどの悪行でツケが回って
きています。(もちろん一部のベンダーの話ですよ)

一兵卒としての活動ですので大したことはできませんが、
少しでも過去の失敗を払拭できればと思ってやっています。
そこそこの緊張感を保ちながら毎日楽しく仕事ができているので
ありがたいこっちゃです。

ところで、セカンドライフに突入してバランスが重要だなと思うことが
多くなりました。以下、自分なりの黄金比です。

・緊張とリラックス(オンとオフ)==> 2:8
・楽しみとイヤイヤ(億劫) ==> 6:4
・充電と放電 ==> 3:7
・仕事と遊び(趣味) ==> 5:5
・社内と社外 ==> 2:8
・練習と本番 ==> 9:1
・既存と新規 ==> 7:3
・自分への投資と回収 ==> 4:6
・入りと出(収入と支出) ==> 5.1:4.9
・かきとピー ==> 4:6
・バーボンとソーダ ==> 2:8
・深酒と浅酒 ==> 2:8
・メールとLINE ==> 8:2
・アコギとエレキ ==> 5:5
・フェンダーとギブソン ==> 8:2
・フェアウェイとOB ==> 10:0

このバランスを意識し、そろそろセカンドライフ2年目に突入します。
今後ともよろしくお願いいたします。

┏━AD━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
  新年度事業計画、部門戦略の策定にBSCを活用しませんか?
  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
   ★☆★ 好評の《「BSC活用キャンペーン」》実施中 ★☆★
     http://www.tru-solutions.jp/BSC_Proposal_2014.htm
 求心力を高め、コミュニケーション強化でPDCAサイクルの
  スピードを上げ柔軟な対応が可能な組織としておく必要があります
  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
  経営戦略策定や方針展開にバランス・スコアカード(BSC)を活用し
  !ミドルマネジメントの意思変革促進と事業運営の実行力強化を!
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

■=== 【コラム/『!プロジェクトは「社長」で失敗する!<第6回>』】

現代においてイノベーション(経営改革)は経営トップが継続的に取り組む
べきテーマだが、そこには必ず情報システムの開発・変更が伴う。
言い換えれば情報システムを機敏に開発・変更できなければ、
トップにイノベーションのアイデアがあってもその実現が困難になる。
しかしながら「情報システム」の話になると急に現場まかせになり
「われ関せず」のトップが多いのも事実であろう。

※以下の文中での<図表?>と表記されている内容は以下で参照ください。
  ==> http://www.tru-solutions.jp/kuriyama_pictures06.pdf

       =================
       !プロジェクトは「社長」で失敗する!
       =================
  〜 第6回:経営学の視点に基づく経営者の支援行動の考察 〜

                  栗山 敏 kurisan@d5.dion.ne.jp
                 北海道情報大学 経営情報学部 准教授
                   元・日本アイ・ビー・エム(株)

★マネジメント・コントロール層の機能不全とダブルループ学習

<図表23>は、Anthonyが提唱した経営管理活動の三階層モデルである。
経営者の戦略立案は言うまでもなく戦略的計画に、PMが責任を負う
プロジェクト・マネジメントはオペレーショナル・コントロールに属する。
かつ両者では、意思決定の内容も、用いられる用語も異なっている。

それらを架橋するために、中間にマネジメント・コントロール層が置かれ、
そこでは両者の用語が変換され、経営者の戦略を反映した何らかの目標が
そこに設定され、オペレーショナル・コントロール層でその目標達成に
寄与するような行動がとられるようマネジメントされる。
それは戦略的計画層で形成される戦略はあくまで戦略であって、
現場で直接実行可能なタスクの表現に変換されていないからである。

筆者は初めてこの古典的な経営理論に触れた瞬間、自分が長年悩んできた
テーマの本質は「マネジメント・コントロール層の機能不全」ではないかと
直感した。そしてその後、プロジェクトの失敗原因が、経営者とPM間の
「共通言語」の不在や、状況変化に対応するためのダブルループ学習の
機能不全にあることなどを勘案すればするほど、
その直感は確信に変わっていった。

筆者が経験してきた典型的な成功事例は、<図表24>に示す2パターン
である。一つは経営者が情報システムの知見を有し、オペレーショナル・
コントロール層までをトップダウンでカバーしたケース、
もう一つは経営感覚を有する、いわゆる「番頭さん」のような中間管理職が
戦略的計画層までをボトムアップでカバーしたケースである。

これらはいずれも「偶然の産物」として、マネジメント・コントロール層の
機能が実現されていたケースである。第5回の「L2:共通言語を確立し、
効果的なコミュニケーションを確立」で述べた、「偶然」を「必然」に変えて
いく取組みとは、正にこのことを指しており、その実践がプロジェクトの
成功をより確実なものにしていくのである。

★「共通言語」を実現する手法

ここでは「共通言語」を実現することに寄与すると筆者が考える手法として、
プロジェクト・バランスト・スコア・カード(PBSC)を紹介する。
<図表25>。バランスト・スコアカード(BSC)自体の解説は不要と
思われるが、PBSCはBSCをプロジェクト・マネジメントに応用した
ものである。PBSCは、情報システムが提供しようとしている機能が
「学習と成長」==>「業務プロセス」==>「顧客満足」、そして「財務」にまで
つながる一連のKPIの連鎖にどのような影響を与え、価値を生むのかを
可視化することができる。

<図表25>は、今では古典的なSFAのソリューションとなった、
営業マンに携帯端末を持たせて商談中に在庫照会や受注を行ない、
商談のスピードアップや顧客満足度の向上を図る情報システムが、
どのように最終的な売上向上という成果に貢献するかを戦略マップの形で
表現したものである。

加えて<図表26>のように、各ステークホルダーの役割・責任・権限を、
KPIと目標値の形で明示することによって、各自がプロジェクトの成功
に向けて何をすべきかが明確に理解される。
これらの取組みがステークホルダー間の相互理解と合意形成を促進し、
ひいてはプロジェクトの成功率を高めることに、多くの読者は納得感を
持たれることと思う。

★経営者にとっての過去の「学習の機会」

ではこれまで述べてきた、プロジェクトを成功に導く諸要因について、
経営者が学習する機会が過去にどれだけあったのかを、企業における
情報システムの活用の歴史を振り返りながら考えてみたい。<図表27>

黎明期における部門単位の省力化システムでは、経営者の「直接的な」関与
は必須ではなかった、と言い切ってしまっても良いであろう。
情報システムを担う組織も管理本部−経理部−電算課といった形態であり、
情報システム予算は管理本部の予算の一部に過ぎなかった。
したがって、経営者自身が個々の情報システムの投資案件に直接関与する
機会も必要性も少なく、費用対効果の検討などの多くは現場に委ねられて
いた。それが急に「社長、今度のプロジェクトは社運を賭けた重要案件なの
で、しっかりご支援下さい」と言われても、何を、どうしたらいいか
分からない、というのが正直なところではないだろうか。

前出のStanish Groupは“How to Be A Good Executive Sponsor”という
レポートで、経営者として学ぶべきこと、とるべき行動を提言している。
<図表28>

その内容に筆者も全く同感ではあるが、しかし同時に、現実の経営者の
学習機会は偶然に依存する、という点も指摘したい。

すなわち学習の機会はPMなどとのコミュニケーションを通じたOJTの
場に限定されており、かつその学習効果は「偶然に」そのプロジェクトの
PMとなった人物の実務能力やコミュニケーション能力などに依存し、
標準化も体系化もされていないのである。

加えて経営者には誰も学習を「命令」できない。
平易な表現を用いれば、社長はその会社の中で一番「偉い」のであるから、
経営者に命令できる人物は、基本的にはその会社の中には存在しない。

したがって学習機会があっても、実際に学習するかどうかは、
当該経営者の「判断」に委ねられる。これらの結果、経営者のプロジェクト
に関する知見や学習成果には、質・量の両面で大きな個人差が発生する
可能性が高い。
故にプロジェクトの状況を正確に理解し、評価し、直接陣頭指揮を執る
能力は、多くの経営者には期待できないものと言わざるを得ない。

しかし経営者に万能を求めることも、プロジェクトに関する知識の習得を
強制することも現実的ではない。これらの打開策は最終の第7回で再考
するが、ここではステアリング・コミッティーを例にとり、
組織体制面からの解決策を模索する。

★プロジェクトを成功に導く組織体制:ステアリング・コミッティーの役割

「ステアリング・コミッティー(以下、SC)の機能が重要である」ということ
に異論をはさむ読者は基本的には居られないであろう。

「SCが機能しているプロジェクトは、途中でトラブルを起こしても、
最後には立て直せる」というのは、多くの実務家の共通認識であろうと
思われる(岡村正司『実践プロジェクトマネジメント 危機を乗り越える
25の決断』ほか多数)。しかし、SCが有効に機能していないために、
途中で大きな困難に遭遇し、最後まで立て直せない場合が少なくない。

SCはプロジェクトの継続と中止を適切に評価し、どちらが得策であるか
を冷静に判断し、場合によっては損害が許容範囲に収まっているうちに
撤退する、という厳しい判断をも下さなければならない。

「SCが機能している」と言えるためには、必要な意思決定権限を持つ
メンバーが漏れなく招集されている、プロジェクトについての情報共有や
意思決定がタイムリーに行なわれている、エスカレーション・パス
(緊急課題の上申プロセス)が確保され、適切に機能している、といった
ことが必要である。

加えて悪いニュースもタイムリーに届くかどうか、という点も重要である。

富永(『プロジェクトマネジメントの国際標準化とその意義』2009年)
は、「敵は社内にあり」という表現を用いて、「プロジェクト」の現場で認識
されているスケジュール遅延や成果物の品質低下といった問題が、
上層部への報告プロセスの中で歪曲され、経営者に正確に伝わらない
という事実があることを指摘する。

それは個々の企業の風土や体質の問題かもしれないが、経営者自身も
自らの問題として現場に足を運び、自らの戦略を込めたプロジェクトが、
現在どのように進捗しているかを自らの目で確認する必要があるだろう。

では経営者はそれを知るために、どう行動しなければならないのだろうか?
それが第5回で示した、10項目の支援行動そのものである。

次回の第7回:最終回では、今回述べた「命令できない経営者という人物」に、
どうやって「命令」以外の方法で、そのような支援行動をとらせるか
(もとい!とっていただくか)について考察する。

                     ・・・次回:最終回へ、つづく

※上記文中での<図表?>と表記されている内容は以下で参照ください。
  ==> http://www.tru-solutions.jp/kuriyama_pictures06.pdf

※バックナンバーはコチラから<「F+S Flash」配信後に順次掲載中>
  ==> http://www.tru-solutions.jp/tru-190.htm#K00

   ● 【 情報システムを成功に導く経営者の支援行動 】 ●
    〜失敗する情報システム構築に共通する社長の行動〜
       栗山敏著、2013年7月24日発売、白桃書房

 ・著者紹介: 2012年11月まで日本IBMに30年勤務し、
   顧客担当営業、コンサルタント、エグゼクティブセミナー講師
   (IBM天城セミナー)と、一貫して顧客接点業務に従事し、
   その間、多数のプロジェクトに関与。2014年4月より
   北海道情報大学 経営情報学部 先端経営学科に准教授として着任。

 本書は情報システムプロジェクトに対する経営トップの意識変革、
 組織の考え方、日常の関わり方(支援のあり方)について述べているが、
 経営トップを含む経営層のプロジェクトへの関わり方という視点では
 ICT系プロジェクト以外でも同様の経営層による関与が有効と言えよう。

┏━AD━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
  問題の発見&整理から課題抽出への紐付け、解決への実行計画策定
   PDCAまでの全体の流れを学習していただく一日コースです
  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
  問題は、目的と解決・改善への意志のあるところでのみ課題となる
  ★☆★「発想力を磨く!問題感知・課題発見力強化」研修 ★☆★
       http://www.tru-solutions.jp/tru-101.htm
   JUAS公開セミナー:2014年5月28日(水) 10:00〜18:00
  https://www.juas.or.jp/seminar_appl/index.asp?SEMICODE=4114011
  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 発想力(新しい視点で物事をとらえるアイディアを生み出す力)を養い、
 課題発見力(何をすべきかの本質を見極める力)と課題解決力を磨きます
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

■=== 【コラム/『【経営者に贈る言葉】<第14回>』】

                 野村 修一 nomura-con@outlook.jp
                NOMURAコンサルティング 代表

   〜!商いの基本はファンづくり!〜 

◆今月の言葉:『商いの基本はファンづくり』(伊那食品工業会長、塚越寛)

会社経営において、究極的に何が大事かと言えば、「あの会社が好きだ」、
「あの商品が好きだ」と思ってくれる人が一人でも増えていくことでは
ないでしょうか?そうなれば、その会社は安泰ですし、会社の商品も
売れていくのだろうということを、このごろつくづくと思うんです。
つまり、会社のブランド化ということです。

すべての会社の行動というのはファンづくりにつながっていますから、
矛盾があってはならないと思います。

社員に「ホスピタリティが大切だ」と言っている社長が、
片方では仕入れ先をとことん値切るようなことをしていたら、
仕入れ先の人はその会社が大嫌いになりますから、
そこに矛盾が生まれてしまいます。
そうならないように、「ファンづくり」においては、あらゆる人に対して
「好きだ」と言われるように気を配らなければならないのです。

◆今月のテーマ:『ランチェスターの法則』(2)

日本の中小・小規模企業約420万社の内、約7割が赤字と言われている。
デフレ状況から抜け出せない中、10年以上売り上げが低迷、又は
赤字基調から抜け出せず、倒産又はもがき苦しんでいる企業が山ほどある。
その中で、あえなく沈没する会社は後を立たないが、懸命な想いで再起を
図っている会社も少なくない。
今回もそんな会社の経営者が目の前の荒波を乗り切る経営方策の拠り所
としている、お馴染みの『ランチェスターの法則』に焦点を当て、
その理由を探ってみたい。

【1.ランチェスター法則の接近戦・一騎打戦】

「弱者の戦略」では、強者とまともに戦わずして勝つというルールがある。
これは、ランチェスター法則が示す公式によって明らかにされている。
・ランチェスター第1法則: 攻撃力=兵力数*武器性能(質)
・ランチェスター第2法則: 攻撃力=兵力数**2*武器性能(質)

第1法則では、攻撃力は兵力数に比例することになる。例えば、A社と
B社の営業マン(兵士)の比が「1対0.5」の時、経営力の弱いB社が
0.5の営業マンを投入すると、A社対B社=1:0.5となり、
B社の攻撃力は0.5となる。
然し、第2法則では、兵士数の2乗に比例するため、経営力が弱いB社が
0.5の営業マンを投入すると、A社対B社=1対0.25となり、B社の
攻撃力は0.25となる。

これにより、「弱者の戦略」では、攻撃力に打撃を受けにくいランチェス
ター第1法則を使わなければならない。この法則が成立するのは、
刀や槍など射程距離が短い兵器を使い、敵に接近して1対1の戦いを
することである。

そして、少ない兵力で有利に戦うためには、山や谷などの狭く険しい場所
を戦場に選び、1対1で戦いやすい陣組をする必要がある。
この第1法則を「接近戦の法則」、「一騎打戦の法則」という。
一方、第2法則は強者が使う法則であり、ライフル銃や機関銃など
射程距離が長い兵器を使って、敵と離れた状態で戦うことで有利になる。

【2.地域戦略における重点と範囲の設定】

経営における8つの重要事項の1つ、「営業地域対策」はランチェスター
第1法則に従って、営業する重点地域と最大範囲の目標を決めていく
必要がある。

重点地域とは、どこの地域を強くして1位を取るかの「弱者の戦略」の
部分1位主義に徹することに当たる。
最大範囲とは、実際に営業する最大範囲を決定することに当たる。

ランチェスター第1法則に従えば、刀や槍など射程距離が短い兵器を使い、
敵に接近して1対1の戦いをすること、山や谷などの狭く険しい場所を
戦場に選び、1対1で戦いやすい陣組みをすることになる。
つまり、少ない営業マンで接近戦をするためには、勝てる地域で1位を
取っていく戦略が必要になる。勝ちやすい地域とは、郡部型であれば、
「海・山・川」などで分断されて独立性が高く、市場規模が小さい地域
となり、都市型であれば「川・鉄道・高速道路・国道・工場・学校」など
で分断される地域となる。
そして、これらの地域に対して、強い競争相手を見ながら接近戦を仕掛け
ていくことになる。

実際に、このような地域で1位を作っていくためには」、分断化された
地域をさらに小さなブロックに分けて、その一つ一つに対して1位を
取っていき、最終的に地域全体の1位を取るようにしていくとよい。
これは1700年頃、長崎県対馬で8万頭のイノシシ退治に島を
9分割して、地域のイノシシを1年ずつ全滅させていった群奉行、
陶山詠庵のエリア戦略が参考になる。

以上です。次回も引き続き、『ランチェスターの法則』をご紹介します
ので、楽しみにしてください。

◆おわりに

一般的に成長期に企業業績を評価する際の経営指標としてよく使われる
のは営業利益率である。
ここには主要コストとしての人件費を抑制すべきものとされている。
今後とも続く低成長期にあって相変わらずの人を排除する経営指標では
なく、売上から外部費用を差し引いた限界利益率を、又人への配付を
厚くした労働分配率の高い企業を評価することが人を大切にする社会に
向けてのトリガーになると思うが、如何?。

最後までお読みいただき有難うございました。
ご感想・ご意見がありましたら、お気軽に上記メルアドにお願いします。
 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
  ☆★FACEBOOKにて「経営者に贈る言葉」を毎日発信しています。
    ご関心ありましたら、FACEBOOKから友達申請ください。
 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

┏━AD━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
      成功の鍵は、管理職の人間力強化による行動変革です
      「360度評価」による自己の改善課題への「気付き」
        上司が変わらずに組織は変わらない
  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
  管理職の行動変革に最適な研修<私が変わる!組織が変わる!>
 ★☆★ 事業目標達成を推進『マネジメントスタイル』革新研修 ★☆★
      http://www.tru-solutions.jp/tru-103.htm
  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
  会社方針に基づく業務上課題の発見とその解決への自己課題の検討
   組織変革への引き金となる管理職の自己変革へのコミットメント
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

■=== 【コラム/『「組織の活性化」への三種の神器』<#2>】

                        西嶋 陽一/TRU
                     ynishijima@TRU-Solutions.jp

   〜 !「組織の活性化」への三種の神器! 〜

<#1>では、「目的の共有」、「主体的・自発的」、「協働」という三つが重要
であり、大きな方向性(=ビジョン)を示した上で「心のマネジメント」を中核
とした「SKILL/MIND/STYLE」の三位一体で体系立った継続的なアプローチが
必要だと述べた。

その上で今回は経営トップや部門長が意識してやるべき三点を述べようと思う。

◆常に変化を!

マンネリを防ぎ組織の活性度を保つためには、常に変化があることが重要。

常に新しい目標へ向かい新しい環境で新しいスキルへ挑戦すること。
それが当然のことになっていればマンネリは存在しない。
経営トップや部門長にとってコレを創り続けることが大きな仕事となる。

そのためにも組織は常に変化させることが必要です。
商品が変わる、マーケットが変わる、仲間が変わる、立場が変わる。

上手くやりきるには経営トップや部門長は大変です。市場を見るだけでなく
組織を構成する個人の状態(モチベーションやスキル)もシッカリ把握し
次に何を求めるのが良いか、会社にとって何が必要か、などを
常に365日考え続ける必要があるからです。

ただし、何も大きな変化が必要なのではありません。
小さな変化でも常に存在することが重要なのです。

◆強みを活かせ!

人間皆何かの「取り柄(=強み)」を持っている。
そして、本人も組織もその強みを知っていることで、相手を認め役割分担が
自然と出来るようになってくるのである。

そのためには、新規開発部長や提案書部長やトラブル部長や宴会部長など
何でも良いので彼や彼女が中心となれる立場を見つけることが大切である。
どんな小さなコトでも良い。こんなコトなら彼だ、コレなら彼女だ、と
自他共に認めることが重要です。

もちろん、何年も同じ役割ではマンネリとなり不満も出てくる。
そのためにも「常に変化を!」なのである。
常に新しいテーマや目標が出てくれば、組織の構成が変化すれば、
相応の新しい役割に変化していく。

クレグレも頭数で組織を構成しないようにしなければならない。

◆考え発言させる!

日頃から立場に関係なく色んな事を考え発言させることが重要。

自分自身のことはもとより、技術が営業に、工場が経営に、部下が上司に・・・
自分の立場に限定せず高い視点大きな立場から会社や組織の問題や取るべき
行動を分析し考えどうするべきかをまとめ発言する癖を付けておく。

そのためには、1)部門長や経営層は方向性と達成目標は示しても具体的な
行動は示してはならない、2)立場の違う者の意見を冷静に捉え肯定的に
検討できる組織風土の醸成が基盤となる、3)発言した本人は自分がその
立場になっても良いという気概を持って内容を検討する、ことが必要となる。

経験が無いから新奇なアイデアが出せる。立場が違うから色目で見ない。
ただし、単なる評論家的な意見は無視。
自分ならこうする、という実行策まで考えることで知識も増える。

今回は1)〜3)を実現するための詳細は次回以降に述べることにするが
コトの大小を問わず常に考えるテーマを与え続けることが必要なのです。

◆まとめ

忘れてはならないのは『経営やビジネスは「人(ヒト)」が担っている』こと、
そして、『「人(ヒト)」には「心」がある「感情」がある』ことです。

「モチベーション」「使命感」「責任感」「協調性」等々が行動を左右します。
だから、いくら素晴らしいマネジメントシステムを作っても
「人(ヒト)」の「心」や「感情」も総合した「組織としてのパワー」が伴わなければ
「絵に描いた餅」となり結果は伴ってこないのです。

再度書きますが、「活性化した組織」とは、「組織本来の目的を組織構成員が
共有し、主体的・自発的に協働しながら達成しようとしている状態」をいう
のです。それには、「戦略的」&「継続的」なアプローチが必要なのです。

★上記に興味を持たれたら<#1>も読んでみてください。
 経営トップや部門長が意識してやるべき三点について述べています。
   ==> http://www.tru-solutions.jp/tru-190.htm#027

★「組織の活性化」に必要なステップを確実に実施
 *組織全体のビジョン・戦略をきっちり策定(選択と集中)
 *それを下位組織・関連組織へ賢く展開(コミットメント)
 *経営層や部門長のみならず実務管理者レベルまでの意識改革を実施
 *PDCAサイクルを通じた実施改善活動を継続推進する仕組みを構築
   ==> http://www.tru-solutions.jp/projectWIN.pdf

┏━AD━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
    当社提供の<人事・労務系の各種制度改革支援サービス>
   企業のビジョンと中長期事業戦略に沿った人財と組織の実現へ
  「ヒト」に関わるテーマについてトータルなサービスを提供します      
  ――――――――――――――――――――――――――――――
          【人事労務を経営に活かす】
       〜戦略的人事労務管理への変革をお手伝い〜
       http://www.tru-solutions.jp/tru-189.htm
  ――――――――――――――――――――――――――――――
  能力向上やモチベーション向上のみならず、リスクマネジメントの
 視点等をも含んだ幅広い観点から構築する諸制度とシステムへの変革
  組織のパフォーマンスを最大化するための活動を御提案いたします
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

■=== 【F+S Forum/開催日程】

 ★☆★ 各地の新規メンバー勧誘を是非ともお願いします ★☆★

◆開催予定:  <最新情報はHPでご確認ください>

・広 島【第29回】 6月 6日(金)@立町「ラグーン」
              7日(土)@三原「本郷カントリー倶楽部」

・東 京【第172回】6月25日(水)@恵比寿「ベリータ」

 ★ <特別講演会> 6月25日(水) 17:30〜18:45  ★
 ★   『銀座で135年の老舗が問うブランド戦略とは?』   ★
 ★   〜「Japan Brand」、「Made in GINZA」へのこだわり〜   ★
 ★   江田 康雄 (株)天賞堂 取締役 マーケティング部長   ★

・名古屋【第44回】 未定(4月?)@新栄.「ガバチョ」<音楽の夕べ>
・大 阪【第62回】 未定(4月?)@梅田.「エスカイヤ駅前第3ビル店」

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
  「人が創る」を合い言葉に、「F+S Forum」を通じてより良い社会へ
       http://www.TRU-Solutions.jp/F+S_Forum.htm
   参加者のご紹介や【F+S Flash】のバックナンバーは上記URLで
  各種有益な情報提供やイベント等の告知があればお知らせください
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

編集後記: 桜前線は東北北部を北上しています。平地でソメイヨシノが見頃
の地域は、山形・宮城の北部や岩手の南部など東北の中部です。有名どころの
角館や弘前は23日現在でまだつぼみのようなので山間部や北部ではGW後半
が見頃なのかも知れません。今年はこれまでのところ『平年並み』か『やや早
め』に咲く所が多くなっています。GW後半は東北の有名どころ温泉宿は満室
です。さて、18年ぶりの国賓として来日しているオバマ大統領。TPP交渉
では、農産物という海老餌で大きな鯛を釣る戦略のようですが。エサの海老が
バナメイ海老だったと後で気付くことがないように祈ってます。戦略的交渉が
苦手な日本なので良いように操られる危険が一杯ですね。中小企業や個人事業
主がアベノミクス効果を実感できるのはいつのことになるのでしょう????

※お花見に行こう!桜前線とれたて便2014:るるぶ.com
 ==> http://www.rurubu.com/season/spring/sakura/

※るるぶ.comの全国イベント紹介ページ
 ==> http://www.rurubu.com/event/
 子どもとお出かけの情報サイト「いこーよ」 GW2014のおでかけスポット
 ==> http://iko-yo.net/facilities?tags%5B%5D=GW2014

┏━AD━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
     当社提供の<組織活性化・人材育成関連サービス>は、
       http://www.tru-solutions.jp/tru-199.htm
  ――――――――――――――――――――――――――――――
    ※当社の研修の特徴
      1)全て・・・考えるワークショップ型
      2)全て・・・気付きを促す自己変革型
      3)全て・・・実践に即結びつくコミットメント型
      4)全て・・・小難しい理論排除のシンプル型
    ※1社研修を御希望の場合は当社へお問い合わせ下さい。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

//////////////////////////////////////////////////////////////////////