F+S Flash
(Vol.177)

============================= CONTENTS =============================
【F+S2014年/<新年の抱負>】
  恒例の「新年の抱負」を多くの皆様から寄稿いただきました
【コラム/『経営や歴史の著名人に見るBSC的考察』】    <寄稿>
  ヤフージャパンに見るBSC的考察 高橋 義郎/高橋マネジメント研究所
【コラム/『!プロジェクトは「社長」で失敗する!<第3回>』】<寄稿>
  QCD目標を達成するために求められる関与と責任  栗山 敏
【コラム/『【経営者に贈る言葉】<第11回>』】      <寄稿>
  和して同ぜず、同じて和せず    野村 修一/NOMURAコンサルティング
【F+S Forum/開催予定】 (最新日程はHPをご覧くさい)
  東 京【第170回】2月5日(水)@恵比寿.「ベリータ」
     <特別講演会>  5日(水) 17:30〜18:30   
      『ITプロジェクトと経営層の関わり方の実態と成功要因考察』
      栗山 敏さん / 武蔵大学総合研究所 奨励研究員
  広 島【第28回】 3月7日(金)@立町.「ラグーン」
     <懇親ゴルフ>  8日(土)@八本松.「広島東映カントリークラブ」
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1994年のスタートですので「F+S Forum」が20年目の節目を迎えます。
これもひとえに皆様の御支援・御協力のたまものと心より感謝しております。
本年も変わらず宜しくお願い申し上げます。

■=== 【F+S2014年/<新年の抱負>】

毎年恒例の「新年の抱負」を以下の皆様から寄稿いただきました。(敬称略)

★皆勤賞 F+S東京の全6回に参加されました

・広瀬 和市  (有)リベロ・ネットワークス 14回目
  明けましておめでとうございます。F+S20周年おめでとうございます。
  ここまで長く続けられる交流会は少ないと思いますが、これも西嶋さんと
  加藤さんのご尽力のお蔭と厚く御礼申し上げます。
  私もこの会に参加させていただき今年で19年目になります。
  そのうち14回も皆勤賞をいただき、今年も15回目の皆勤賞を目指して
  仕事を調整していきます(笑)が、この間、とてもたくさんの方々と
  親しく交流をさせていただいており、ここでの出会いを今後も大事にして
  いきたいと思っておりますのでよろしくお願いします。
  昨年には二人目の孫も産まれて育ジイもしながら楽しく過ごさせてもらっ
  ています。Facebook では孫のことばかり書いてジジバカぶり全開ですが
  まだお友達になっていない方はよろしかったらお付き合い下さい。
  本年も宜しくお願いします。 https://www.facebook.com/waichi.hirose

・中村 史夫                 7回目
  新年の抱負といっても、健康で過ごせるのが目標になるくらいで、
  ご存じのとおりヤマト運輸の委託業務で、メール便を配達する仕事を
  続けているので、自転車で配達して身体を動かすためか、ここ2〜3年は
  風邪で寝込むことはありません。今年は45人ほどいる大学の同窓会の
  幹事を、同期生と一緒に担当することになり、初夏に年1回の会報の発行と、
  晩秋に開催される総会を兼ねた1泊旅行を実施する予定です。
  過去には1回だけ登別温泉で開催しましたが、今までは関西では京都や
  琵琶湖周辺、中部では岐阜や知多半島あたり、関東では熱海などとなって
  います。そこで今年は同期の連中と相談し、初めて東京でやろうかと
  考えています。メンバーは全国に散らばっていますが、東京なら交通の便
  も良いので、多くの人が集まってくれそうです。母校の法政はタワー型の
  ビルに変身してしまいましたが、卒業生は会議室が利用できるので、
  そこで総会を開催して近くのビジネスホテルで宿泊し、翌日はスカイツリー
  を見学して解散しようかと考えています。

・鈴木 弘一  (株)ステラクラフト      4回目
  昨年は怪我や病気に悩まされ、満足に運動ができる1年ではありません
  でした。今年こそReSTART!と思った矢先に、先日の3連休から風邪を
  こじらせてしまいました。健康第一。今年は体調管理に気を付けて、
  時間とお金に余裕ができたら、11月には“ツールドおきなわ”にも
  参戦したいな〜。。。と思いつつ、仕事で沖縄出張の機会を作ろうと
  画策しています。今年もよろしくお願いいたします。」

・吉田 奈美  (株)トランザクト       4回目
  いつもお世話になります。遅ればせながら、
  旧暦的な、明けましておめでとうございます。
  と言いつつももう、既になんと1月も終わり、もう1年のうちの
  12分の一を終えた時期になっているのですね。
  毎年月日の過ぎるのが早すぎる気がするのは、私だけでしょうか?
  さて、私の今年の抱負は、毎年変わらないことなのですが、前向きに
  そして積極的に健康的な活動していくことが、一番の意義です。
  エイジレスを目指して、年齢の常識にとらわれずにやりたいことに
  チャレンジし、自己成長させていきたいと考えています。
  だからいつも忙しいのでしょうか?友は、私の事とマグロの回遊魚と
  同じといいます。それは常に動いていないと死んでしまうからと(笑)
  F+Sのような上質の異業種の会は私にとって大切な場です。
  私の情報源であるF+Sは20周年を迎えます。大変素晴らしいことだと
  思います。継続は力なりを実感しながら、この会を運営されている
  西嶋様、加藤様に感謝しております。
  そこで得た知己やインプット情報を消化しつつ、自ら情報発信して
  アウトプットを出し続けていきたいと考えています。
  常に新しいものへの関心度を高めて、様々なネットワークを通じての
  情報収集により、情報感度にさらに磨きをかけていくことにより、
  自身の更なるステップアップが見えてくるのではないでしょうか?
  (それを期待しているだけかしら??)
  そう思いながらも、時はもうひと月を過ぎようとしているのに、
  ただ忙しく過ごしている自分がいることに、まだまだ成長の足りなさを
  感じる毎日です。
  皆様のご指導のもとに、後悔しない年末が迎えられるよう、
  どうぞ宜しくお願い申し上げます。

・伊藤 由起子 (株)ゼスト          2回目
  あけましておめでとうございます!
  今までも、黒澤さんを筆頭にF+Sメンバーの方々にいろいろと助けられ
  てきましたが、今年はますます大勢の方々に助けていただくことになり
  そうで、本当に感謝・感謝の日々を過ごさせていただいています
  まず、白井さんと谷垣さんが、弊社がパッケージベンダーになれるよう、
  ビジネス構築面で昨年末より協力してくださっています
  次に、明成商会の桐谷さんと葉山さんが、介護業界に弊社パッケージを
  売り出すべく、奔走してくださっています。弊社でも、お客さまへの
  付加価値として「ARBOR(タブレットPC)」を紹介させていただいています。
  それから、アイネットの丸山さん、クオリカの野沢さんが、カスタマイズ
  パートナーとして協力してくださるとのこと。
  2月くらいには、技術移転をできればと準備を進めております。
  そして、なんと言っても一番は、皆様につなげてくださった西嶋さん、
  いつも気にかけてくださり、本当にありがとうございます!
  今年もどうぞよろしくお願いいたします
  追伸:今年は12月20日(会社の26歳の誕生日)にシンガポール進出も
  目指しています!

★精勤賞 惜しくも1回欠席です

・桜木谷 孝夫 (株)NSP    4月欠席
  新年あけましておめでとう御座います。
  今年も全力全開で頑張ってまいります。と意気込んでおりますが・・・
  昨年からの腰痛がまだ治らず、まずは健康な体を作る事が基本ですね。
  あと2年弱で「赤いちゃんちゃんこ」をいただくことになるますので、
  その記念式典には「背筋をピンとし、わけー奴には負けねーぞ」と
  言いたいと思います。お仲間の「広瀬さん」ともうお一方で「三匹の
  おっさん」を気取りませんか。
  そんなことで、今年はスポーツクラブで体を鍛え、仕事・趣味を思い切り
  出来るよう、また、「腰やってしまいました」でF+Sをドタキャン
  しないようにいたします。
  そして、西嶋さん、是非、サーキットでバトルをしましょう!!

・福元 健   EXSAC(株)  9月欠席
  3年連続皆勤賞を狙っていたのですが、9月欠席となり夢破れました。
  まあいわば忌引きなんですが、2013年は個人的にはつらい年になって
  しまいました。2014年はビジネスの成功を狙っています。
  忙しく働き、合間をぬって遊ぶ、という1年にしたいと思っております。
  今年も例会で楽しく過ごして行きましょう。

・岡本 賢次  (株)ハーツ    4月から参加(参加以来全出席)
  遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。ハーツの岡本です。
  昨年よりF+Sに参加させていただき、昨年末には精勤賞を頂きました。
  今年も特別講演や皆様との交流から多くのことを吸収させていただき、
  年末には皆勤賞をゲットしたいと思っております。また昨年末のパーティ
  では見事に失敗した歌に磨きを掛け、西嶋バンドで皆様に美声を届けられ
  るようボイストレーニングにも励みたいと思っております。
  どうぞ本年もよろしくお願いいたします。

・桐谷 泰弘  (株)明成商会   4月から参加(参加以来全出席)
  新年明けましておめでとうございます。
  2014年の抱負と致しましては、2年前にこの会社にお世話になって
  から新規事業として初めて参入したIT業界のビジネスにおいて、
  何らかの実績を作る事です。
  『そんな早々に実績を作るなんて甘いものではないよ!』と皆様から
  お叱りを受けそうですが、今迄養った知識や経験を生かしこれからの社会
  に貢献するためには、先ずはこの業界からの発信が必要であると確信して
  おります。夫々の特定の専門分野においてハードウェアやソフトウェアに
  拘らず、エンドから必要とされるサービスを、今までとは異なる切り口で、
  世の中に広く遡及する事業を商社マンとしてプロデュースしたい。
  そんな思いで今年も猪突猛進したいと考えますので、今後とも皆様の
  ご指導ご鞭撻を賜ります様宜しくお願い申し上げます。
  また遊びの方でも、今年こそ、皆様と海でクルージング・パーティーを
  企画したいと考えておりますので、皆様方のご賛同を賜りますよう
  宜しくお願い申し上げます。

★各地のF+Sから

・福井 五郎/ハイエレコン  F+S広島
  明けましておめでとうございます。
  広島のF+S新春第1回目は3月7日に「ビートルズとJazzの夕べ」
  と銘打って音楽イベントを開催いたします。広島在住のセミプロ軍団に
  お願いして、楽しい会にしたいと思っています。
  おかげさまで広島での開催も28回目となりました。1年に3回やって
  いますので、10年目に突入ですね。28回×22名平均=延べで
  約600名の方々に参加いただきました。
  昨年度から(一社)広島県情報産業協会の会長を仰せつかって、何かと
  忙しくしております。昨年は第14回目のひろしまIT総合展2013を
  主催し、129社147ブースの出展を得て、1万7千名皆様にご来場
  いただきました。西日本では最大級のITイベントです。
  広島でも、東京と同じ最新のIT製品、サービスをご覧いただこうと
  始めたイベントですが、2年に一度ですからこちらは28年間の開催と
  なります。継続は力ですが、継続はマンネリとの戦いでもありますね。
  私の趣味で、音楽系に偏重しておりますが、参加の皆様に喜んでいただ
  けるような話題提供の場にもチャレンジしたいと思います。
  本年もよろしくお願いしたします。

・佐々木 昭彦/ユニシス   F+S大阪
  新年、あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い
  いたします。本年の抱負は午年にかけて「馬車馬の如く」という感じ
  ですが、特に今年だからということでもありません。
  我々中小のソフト請負業は、過去も未来にわたっても「馬車馬の如く」
  突っ走るしかありません。それよりも、F+S大阪にかける抱負を
  語らせていただきましょう。それはなんといっても、新川電機の辻さん
  と組んでの「F+S大阪の京都開催」です。会場を京都に移して、
  大阪メンバー以外の人にも集まっていただいて京都の夜を楽しんで
  いただき、そして翌日は琵琶湖の畔で芝刈りに勤しんでいただくという
  趣向で開催したいと目論んでおります。実現の暁には、全国の多くの
  皆々様にご参集賜わりますよう、お願い致します。当の辻さんには
  何の了解も得ずに勝手なことを書きましたが、辻さんお願いしますね(^_^)

・小島 始/郵便局      F+S名古屋
  F+Sの皆様、名古屋のみなさま、誠にお世話になっております。
  名古屋平手郵便局 小島始と申します。
  新年の抱負ということで原稿依頼をいただきましたが、仕事の話に
  ついては皆様ご存じのとおり、政治の世界で物事が決まっていく会社です。
  数年後に上場される予定でもあり、世間の注目を浴びているところです。
  立場的には管理者でもあり、なにかしら書いたことで問題が起きると
  いけませんので、勝手ながら内容は趣味の話とさせていただきます。
  (仕事の話は、F+S名古屋でご一緒いただければ、お話しできることも
  あるかもしれません。)
  名古屋の皆様には何度かご披露させていただいていますが、
  小生、趣味としてフルートを吹きます。遙か昔、親に勧められて小学校の
  時の習い事から始めたのですが、なぜかやめずにずっと続いています。
  思えば人生のなかでずっとやり続けているのは、この楽器の演奏だけと
  なっています。下手の横好きではありますが。
  ここで、今年の抱負の1つ目ですが、やはり仕事の合間に練習という
  のがなかなか難しく、これまでろくに練習時間が取れませんでした。
  今年は、なんとか去年よりは練習する時間を取りたいなというところです。
  また、楽器演奏では、アマチュアオーケストラに奏者として参加しています。
  また、トレーナーとしてオーケストラの練習の面倒を見ています。
  刈谷市民管弦楽団という市民オーケストラで、今年は6月22日に刈谷
  市民音楽祭、10月5日に第30回記念定期演奏会という演奏会を行います。
  6月の音楽祭では、ワグナーの「歌劇ローエングリン第3幕への前奏曲」、
  スメタナの「我が祖国よりモルダウ」などを演奏します。また、10月の
  記念演奏会では、ショスタコーヴィッチの交響曲第5番ほかを演奏します。
  ここで、今年の抱負2つ目ですが、このオーケストラの演奏会に多くの
  お客さまに来ていただき、成功裏に終わらせることです。
  なお、F+Sの方でご興味がある方は、ご連絡いただければチケット等
  ご用意させていただきますので、お気軽にお問い合わせください。
  最後に、楽器演奏以外の趣味で、携帯情報機器(スマートフォン、
  タブレット等)関係があります。F+Sに自己紹介を書かせていただいた
  時にも同じようなことを書いた覚えがありますが、当時から考えれば
  世の中はすさまじく進歩していますね。当時は、携帯情報機器はまだ
  一部のマニアのみが使っているような時代だった気がしますが、
  いまや、女子高生がスマートフォンを持っていたり、街中でタブレットで
  写真を撮る人がいる時代です。
  ある意味では、市場が飽和してきて目新しいものが出ることが少なく
  なってきていますが、そうは言ってもちょくちょく興味をそそるものが
  発売されたりもしています。となると、どうしても財布への影響が
  避けられないところです。
  ということで、最後の抱負ですが、今年はこの散財の程度を減らしたい
  なと思っております。はい、たぶん無理ですね。
  ということで、よくわからない独り言に終始しましたが、
  F+Sの皆様、名古屋の皆様、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

・北田 勝久/オフビート   F+S東京
  皆さん、大変ご無沙汰しています。
  昨年1年間、一度も参加していない私に、F+S東京を代表して
  「今年の抱負」を書けというメールをいただいて、ずっと悩んでいました。
  一昨年に手術をして本当に仕事に戻れるのか?どこまでやってもいいのか?
  と試行錯誤をしながら、今もできるだけ無理をしないように、
  疲れないようにと思いながら、日々を過ごしています。
  ただ、昨年末に思い切ってゴルフにもチャレンジして、少しは自信を
  持てたような気もしていますので、今年はもう一歩前へ進みたいと
  思っています。
  F+Sにもまた参加させていただきたいと思っていますので、
  どうぞよろしくお願い申し上げます。

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■=== 【コラム/『経営や歴史の著名人に見るBSC的考察』】 <寄稿>

【新年の抱負】
                高橋 義郎 yosiro-t@cb4.so-net.ne.jp
                 高橋マネジメント研究所(TML) 代表
                   桜美林大学大学院 特任教授

今年も昨年同様に多くの方々に本寄稿を読んでいただけることを期待しま
して、本年の原稿をお送りしています。個人的な年頭の所感としましては、
個人事業で支援をさせていただいているお客様の益々の発展と、
私の授業やゼミを受けている大学院学生の経営に関する学びの楽しみが
深まることを祈念しながら、この1年間を精進していきたいと考えています。
−−−−−−

  〜〜『ヤフージャパンの宮坂学社長の経営に見る
        バランススコアカード(BSC)的考察(その2)』〜〜

好業績だが、つまらない会社。こう揶揄されてきたヤフージャパン。
特にベンチャー企業にとっては、成長の段階やそれぞれのビジネス環境の
変化によってマネジメントスタイルや課題は違ってくると言われているが、
組織開発は特に重要とされ、成長に見合った組織開発がなされなければ
成長は鈍化するばかりか、破綻の危険さえあるようだ。

経営学の教科書では、組織開発の方法論として社内のコミュニケーション
改革や権限委譲などが紹介されているが、なかなか実行に移すには難しい
ところだ。そのような意味で、昨今の経営改革に臨んでいるヤフーは、
組織論のケーススタディとして注目したい企業のひとつである。

ヤフーは、新経営陣のもとで、「10倍挑戦・5倍失敗・2倍成功」という
ビジョンを掲げ、攻めの経営に転じている。

ヤフーにとっての最大の環境変化は、ユーザーがパソコンではなく
モバイル端末を利用するようになったことであろう。
爆速で攻め進んでいる中で、特筆すべきことは組織改革にあたって
新経営陣がリーダーシップのあり方を大きく変化させている点ではない
だろうか。

大型提携のようなトップダウンのマネジメントとともに、若いマネージャー
を適材適所で起用する努力が見られてきている。事実、ヤフーに勤務して
いる現役マネージャーの話を聞いても、ヤフーで働く人々の経営陣に
対する評価や業務での意識が大きく改善してきていることが散見されて
いるのだ。

書籍から家電製品、生鮮食料品まで、あらゆるモノがインターネット通販で
扱われる時代になった今日、ヤフーは電子商取引サイトの出店料を無料にし、
EC革命を起こすと宣言した。

誰でも簡単にモノを売れる場を提供したいという狙いがある。
そして、何かを1.5倍にしても改善にすぎないが、10倍なら別の手法を
選ばざるお得ないという考えから、そこにイノベーションや成長がある
との考えから、今年はあらゆる面で10倍にすることに挑戦したいという
宮坂社長。

目標を達成するには何をすればよいのか。
宮坂氏が打ち出した戦略は3つある。
「オンリーワン」「異業種最強タッグ」「未踏領域への挑戦」。

端的に言えば、ヤフーの強い分野はさらに強化して伸ばし、弱い分野は
自前主義を捨てて他社の力を借りるというものだ。
策定したのが「ヤフー番付」。ヤフーのサービスをランク分けし、
ヤフーの利益を2倍にできる中核サービス上位5つには、利益を拡大する
ために大きな権限が与えられる。そこには人事の優先配分権も含まれる。
その一方で、他社が圧倒的な優位を持つサービスについては、
自前主義を捨て、積極的に提携していく。
その分のリソースをオンリーワンサービスに注ぐのである。

目標を明確にした後に宮坂氏が取り組んだのが、社内の人事制度の改革だ。
同じ目標を共有する仲間のような関係で仕事に向かってもらうよう、
また、ヤフーバリューに沿った働きをしたかどうか、
そして上記のフレーズに沿った行動をしているか、
これらの基準によって給与が決まってくる仕組みになる。
場合によっては、マネジメントと同等の報酬も出される可能性も出てくる
ことになる。もうひとつ宮坂氏が取り組んだのは、社内の組織の壁を
取り払うことである。安定した収益基盤の下でリスク回避志向に陥って
いた社員の意識を変えることが、その社内風土改革だ。

そんな宮坂社長の経営の改革プロセスを、バランススコアカードの
「4つの視点」に書いてみると、次のようになるのではないだろうか。
読者の意見を待ちたい。

−−−−−−
<財務の視点>
・2019年に営業利益を倍増(3300億円)
<顧客の視点>
・再定義された理念であるユーザーファーストの実現
・親会社の期待に応える経営戦略の策定と実現
・パソコンではなくスマートフォンを有効活用する顧客ニーズへの対応強化
<プロセス変革の視点>
・世の中の課題をインターネットの力で解決
・戦略的に重要な事業への大きな権限移譲と利益向上へのプロセス推進
・業務を明確に定め集中して取り組み
・スピード重視の行動実践
・スマートフォン、タブレットを起点に考える
・強いものを残し弱いのもの整理する戦略実現
・補完関係にある他業種と積極的に提携
・利益2倍のための新事業開発
<学習と成長の視点>
・社員のリスク回避志向の変革
・新人事制度、新評価報酬制度の導入
・ヤフーバリューや行動規範フレーズの理解浸透と実践
・マネジメントチームの努力による戦略の組織内浸透
・社員が思う存分仕事ができる環境づくり
−−−−−−
  (参考:「爆速経営・新生ヤフーの500日」・蛯谷敏著・日経BP社刊)
      日本経済新聞2014年1月5日記事)

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■=== 【コラム/『!プロジェクトは「社長」で失敗する!<第3回>』】

【新年の抱負】
                   栗山 敏 kurisan@d5.dion.ne.jp
                   武蔵大学総合研究所 奨励研究員
                    元・日本アイ・ビー・エム(株)

毎年正月には皆さんも新年の抱負を立てられることと思います。
私とて同じですが、2014年は私にとって特別な意味を持つ年となります。
と言いますのも2012年11月に30年勤務した日本IBMを早期退職し、
1年余の苦難のシューカツ(1勝50敗)を経て
この4月から北海道情報大学 経営情報学部 先端経営学科に准教授の職を
得ることになったからです。

40歳のときに一念発起して以来14年目、念願の大学教員となった今年、
北海道へ単身赴任して学生の指導に専念する日々が待っています。

今年の抱負はまず公私共に激変する環境にいち早く順応し、
大学教員として一人前の貢献がまずできるようになることに置いております。

昨年から連載をいただいている本コラムも引き続きご愛読賜わりましたら
幸いです。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
−−−−−−

以下の文中での<図表?>と表記されている内容は以下で参照ください。
  http://www.tru-solutions.jp/kuriyama_pictures03.pdf

       =================
       !プロジェクトは「社長」で失敗する!
       =================
〜第3回:QCD目標を達成するために経営者に求められる関与と責任〜

★QCD目標が未達成となる原因

今回はまず第2回で懸案となっていた「QCD目標が適切に設定されていた
にもかかわらず、その後の諸般の状況変化に対応できず、目標を達成でき
なかった」ケースについて考察する。
<図表10>はStandish Groupの1994年の調査における不成功および
キャンセルの原因トップ10を列挙したもの、<図表11>はそれらを
合算し、重複を除去してそれらの因果関係を整理したものである。

その結果、QCD目標が未達成となる原因は以下の二つのグループに大別
され、かつそれらの根本原因はいずれも経営者の支援不足に帰結することが
確認された。

★人的能力に関連する原因

第一のグループは人的能力に関連するものであり、「プロジェクトの実行能力
がメンバーに備わっていなかったことが判明した」である。
チームにそのプロジェクトで要求される能力を持つメンバーがアサインされて
いない、あるいはアサインされていても兼務などで十分なワークロードが
確保されていない、といった状況は、要件の明確化や確定を阻害する。

初回のプロジェクト会議で相手企業側のメンバーを紹介された瞬間に
「厭な予感」を感じた読者は多いであろう。かつその予感はほぼ的中すること
にもご賛同いただけるであろう。

要件定義段階でユーザー部門代表のメンバーに求められる能力は大まかに
「現状の理解(現状の業務がどうなっているかを把握している)」、「改革
ビジョン(現状業務のどこに課題があり、どのように変更すべきかに関する
ビジョンを持っている)」、「自部門だけでなく、前後の工程や全社最適の
視点から改革のポイントを指摘できる」、「リーダーシップとネゴシエーション
能力(改革案を自部門に持ち帰り、賛同と支持を取り付けることができる)」
といったところであろう。

失敗に至る典型的なケースは、要件定義を行なう能力を持つ上記のような
メンバーが多忙などを理由に会議に参加せず、代理の立場で参加した
メンバーが決定を保留して部門に持ち帰るといった事象である。

このようなことが繰り返されるとスケジュールは遅延を始め、QCD目標の
達成が困難になっていく。これらは結果的に「ユーザー部門の巻き込みが不足
だった」、あるいは「リソースが不足していた」、と評価される。
またこれら実行能力の不足は、プロジェクトの開始前の段階で潜在的リスク
として認識されるケースもあるが、顕在化するのは要件定義段階以降である
ことが多い。

このような事態を打開するために、PMは通常、経営陣に当該能力を有する
メンバーのアサインや増員を要請する。しかしその要請が受け容れられるか
どうかは、エスカレーション・パスや意思決定プロセスの整備度、
当該プロジェクトの重要性に関する経営者の認識レベルといった様々な要因
に左右され、必要な支援がタイムリーに得られるとは限らない。

また、当該企業にそもそもそのような能力を有するメンバーがいないので
あれば、それは自社の能力を超える難易度のプロジェクトにチャレンジして
しまっていた、ということを意味する。

このような場合には、短期的には外部からそれらの能力を持つメンバーを
招聘する、プロジェクトを分割して難易度を下げる、などの現実的な対策が
とられない限り、早晩破綻を免れない。場合によってはプロジェクトの
早期の中止が最善の選択肢ともなり得る。これらはいずれもPMの権限を
越える、経営者の意思決定権限の領域に属する項目である。

★新しいテクノロジーに関連する原因

第二のグループは、新しいテクノロジーに関連する原因である。
新しいテクノロジーは、その普及の初期には品質や性能が不安定なことが
多く、作業者の生産性を阻害することが珍しくない。またそれらのテクノ
ロジーに関する作業者の習熟度が低い期間においては、本来の性能や
開発生産性は期待できない。

これらが情報システム構築プロジェクトのQCDを悪化させるという、
技術面の要因は確かに存在する。かつこれらの第一義的な責任は、
部下に新しい技術の獲得を怠らせた情報システム部門長にあると言える。

しかし一見、技術的な要因から生じているように見えるこれらのトラブルも、
ITマネジメントの観点から見るならば、テクノロジーの安定度の判断能力
や、それらを使いこなすための人材の計画的な育成の問題に帰結する。

例えば情報システム部門長が技術に関する中長期的な人材育成策を上申して
いたにもかかわらず、経営者がそれを却下していたとすれば、
それは経営上の不作為責任を問われかねない。
すなわち一見、テクノロジー分野の原因と見えるものも、ITマネジメント
の欠如の問題を経て、最終的には経営者の支援不足に収斂するのである。

★3つ目の終焉・・・プロジェクトの消滅

同調査ではもう一つ、環境の変化によってプロジェクト自体がその意義を
失った、という原因が挙げられている。
経営者が何らかの戦略目的を込めたプロジェクトにおいて、その戦略目的が
前提としていた社内外の環境が変化することによって、その戦略目的自体が
変質あるいは消滅することは十分起こり得る。

このような場合はプロジェクトの目的自体が消滅したのであるから、
プロジェクトは即刻中止されて然るべきであろう。そこまでに投じられた
経営資源の多くは、確かに無為に費やされる結果となるが、しかしこれは
特定の個人の責に帰すべき失敗とは言えない。むしろこれは「プロジェクトの
消滅」と呼ぶのが相応しいであろう。

以上のことから、QCD目標が未達成となる根本的な原因は、
経営者の支援不足にあると断じることができる。

★プロジェクトが「経営者の支援不足」で頓挫する原因と解決の方向性

では、経営者が戦略目的を込めた(はずの)、若しくは積極的に賛同しない
までも巨額の投資を受動的にせよ承認した、経営者にとっても重要であるはず
のプロジェクトが、なぜ「経営者の支援不足」で頓挫するのだろうか?

筆者はこの原因をパイロットと機関長間の共通言語に例えて説明している
(<図表12>)。

経営者とPMの関係は、旅客機の機長(パイロット)と航空機関士(フライト
エンジニア)に譬えられる。機長の役割は乗客を目的地まで安全、確実かつ
スケジュールどおりに移動させることであり、航空機関士の役割は、
機長の目的達成を支援すべく、動力系に要求される性能を発揮させ続ける
ことである。

ここで重要なのは、航空機の場合には安全なフライトと、エンジンを初めと
する各機関の稼動状況の間に明確な因果関係が存在し、かつ当事者がそれら
を「共通言語」として明確に認識している、ということである。

エンジンの停止が差し迫った危機であることは即座に共有され、
全スタッフが緊急体制に移行する。一方、情報システム構築プロジェクト
では必ずしもそうではない。

初期の重要な工程である要件定義作業が順調に進まないという現象は、
大きなトラブルの先行指標の一つである。しかし、その報告を受けて正確に
その危険度を察知できる経営者は、必ずしも多いとは言えない。

特にそれらの報告が、経営者に理解できないIT用語のみを羅列して行な
われる場合には、プロジェクトの危機的な状況は益々経営者に理解され
にくくなるであろう。

これが、経営者側に支援の意思があっても、結果的に支援が提供されなく
なるメカニズムである。したがってその処方箋は、経営者とPM間の
「共通言語」を確立し、機能させることであることが納得感をもって
理解されるであろう。

しかしこれとは別に、経営者がプロジェクトの支援を行なう意思、
あるいは関心すら持っていないケースでは、上記の処方箋は機能しない。
この点については最終の第7回で、具体的な解決策と共に、再度検討する。

                         ・・・次回へ、つづく

 ※上記文中での<図表?>と表記されている内容は以下で参照ください。
  ==> http://www.tru-solutions.jp/kuriyama_pictures03.pdf

  ● 【 情報システムを成功に導く経営者の支援行動 】 ●
  〜失敗する情報システム構築に共通する社長の行動〜
     栗山敏著、2013年7月24日発売、白桃書房

 <著者紹介>:2012年11月まで日本IBMに30年勤務し、
  顧客担当営業、コンサルタント、エグゼクティブセミナー講師
  (IBM天城セミナー)と、一貫して顧客接点業務に従事し、
  その間、多数のプロジェクトに関与。2014年4月より
  北海道情報大学 経営情報学部 先端経営学科に准教授として着任予定。

 本書は情報システムプロジェクトに対する経営トップの意識変革、
 組織の考え方、日常の関わり方(支援のあり方)について
 具体的な知見が述べられており非常に分かりやすく書かれています。

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■=== 【コラム/『【経営者に贈る言葉】<第11回>』】

【新年の抱負】
                 野村 修一 snomura501@hotmail.co.jp
                NOMURAコンサルティング 代表

2014年も、はや1ケ月が過ぎようとしていますが、いかがお過ごしで
しょうか?私の若かりし頃は新年を迎えるたびに自分のためだけの目標を
立て、それを実践するだけで精一杯でしたが、還暦を超す年になると周りの
方にどれだけお役に立てるかが目標を立てる基準になっているようです。

システムでいうと、インプット重視からアウトプット重視に転じて来ている
のかも知れません。とは言っても毎年実績が伴わず、反省の繰り返しですが。
仕事柄(中小企業の会社再生中心)、いろんな経営者に出会い、
また書籍も古典から現代まで様々なものを読みますが、その中で経営者の方
に少しでもお役に立てればとの思いから,毎日10行ほどの「経営者に贈る
言葉」をFACEBOOKに発信して約2年になります。「F+S Flash」への寄稿開始
からまだ1年弱ですが、あとしばらくは続けていきますので、
本年もよろしくお願い致します。
−−−−−

   〜!君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず!〜 

◆今月の言葉:『君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず』(論語)

優れた君子は協調性に富むが、やたらと妥協しない。小人は徒党を組むが、
協調するまでに至らない。

特に中小企業の経営者は自らの人脈で取引先の拡大を図ってきたが、
景気の悪化に伴い、取引先を断ち切ることも必要である。
逆に、取引先からコストダウンや納期短縮を要請されたら反発するのでは
なく、これを有り難いと思って、前向きに対処する度量が必要である。
これが経営者にとっての「和して同ぜず」を実践することとなる。

◆今月のテーマ:『孫子』の兵法(2)

日本の中小・小規模企業約420万社の内、約7割が赤字と言われている。
デフレ状況から抜け出せない中、10年以上売り上げが低迷、又は赤字基調
から抜け出せず、倒産又はもがき苦しんでいる企業が山ほどある。
その中で、あえなく沈没する会社は後を立たないが、懸命な想いで再起を
図っている会社も少なくない。
今回もそんな会社の経営者が目の前の荒波を乗り切る経営方策の拠り所にして
いる、お馴染みの『孫子』に焦点を当て、その理由を探ってみたい。

1.現代経営者と『孫子』

アメリカでは80年代に『孫子』が大きなブームとなり、又ビジネス・スク
ールにおいて戦略を知るための必読書の一つとされたため、経営者に浸透した
一面がある。日本では戦前からの漢学の影響や帝王学を学ぶための中国古典
の勉強会、更に昭和40年頃の『孫子』ブームによって戦略を学ぶ風潮が培わ
れても来た。例えば、積水グループの「積水」は『孫子』の一文から取られた
ものだし、ヤマハ創業の川上源一氏、新日鉄元社長の武田豊氏など、『孫子』
に精通していた名経営者は多くいる。

2.『孫子』の戦略を象徴する言葉

『孫子』の戦略を象徴するものとして下記が挙げられる。
・戦わずして人の兵を屈するは、善の善なるものなり(謀攻篇)
 (戦わないで敵を屈服させることこそが、最善の策である)
・彼を知り己を知れば、百戦して殆うからず(謀攻篇)
 (彼を知り己を知るならば、絶対に敗れる気づかいはない)
・兵の形は水に象る(虚実篇)
 (戦闘態勢は水の流れのようであらねばならない)
・兵は詭道なり(始計篇)
 (戦争は、所詮、騙しあいに過ぎない)
・先ずその愛する所を奪わば、即ち聴かん(九地篇)
 (敵の最も重視している所を奪取することだ。そうすれば、敵を思いのまま
  振り回すことができる)
・十を以てその一を攻むるなり(虚実篇)
 (十の力で一の力を相手にする)
・善く戦う者は、その勢は険にして、その節は短なり(兵勢篇)
 (激しい勢いに乗じ、一瞬の瞬発力を発揮するのが戦い上手の戦い方である)

3.孫正義

1957年生まれの孫正義は、1981年24歳でパソコンソフト卸売の
ソフトバンクを設立する。ところが、創業の翌年頃からB型肝炎を患い、
入退院を繰り返すことになる。この時、4000冊とも言われる書籍を読破、
特に『孫子』からは戦略のヒントを得たことで『孫子』と『孫正義』を
取って「孫の二乗の兵法」なるものを創り上げた。

この中で孫正義は、「ビジネスの現場における戦いは最後の仕上げであって、
実際に火蓋が切られる前に戦いの9割方は終わっていなければならない」
と記し、『戦わずして人の兵を屈する』を自ら実践したとの事例があった。

孫氏はパソコンソフト卸やパソコン関連雑誌の創刊を繰り返しながらも成功
させた後、1994年に上場、そこで得た潤沢な資金を元手に積極的な企業
買収(M&A)を仕掛けた。確かに、ライバル企業を買収してしまえば、
戦わずして業界を制覇することガ可能になる。孫氏はこれを実践した。

4.ビル・ゲイツ

マイクロソフト社の創業者であるビル・ゲイツ氏は、企業が成功するか否かは
すべて情報によって決まるとまで言っている。これは正に、『孫子』の
「彼を知り己を知る」という精神がそのまま重なり合う。彼をよく知る知人達
も、「彼は自分の間違いを認めることができた。他人のやり方や技術が上だと
わかると、それを積極的に取り入れようとする」と言っている。

90年代半ば頃、アメリカの軍事技術から転用されたインターネットが世界中
で爆発的な普及を見せ始めたが、当時開発中のウィンドウズ95がインター
ネット向けの仕様になっていなかった。そこで、彼はマイクロソフトの全商品
をインターネット対応にすべしとの方針転換の大号令を出し、その結果、
インターネットの分野でも確固たるシェアを築き、コンピュータ業界で不動の
地位を守り続けた。

これは正しく、『孫子』のように「水に象って」柔軟に敵や状況に合わせて
いくということに他ならない。ビル・ゲイツ氏は時代に適応するために、
特にマイナスの情報をうまく活かす術を知っていた。

以上です。次回も引き続き、『孫子の兵法』をご紹介しますので
お楽しみにしてください。

◆おわりに

ひと頃、引き寄せの法則なる書籍が書店を賑わせたが、心の思いが深ければ
相手に伝わり、自分に還ってくることは日常的に経験することである。所謂、
ただ思いが強ければ強いほど何でも実現するということではない。
小人のように自分の置かれた状況に不平・不満をもち、一獲千金の夢を望んで
も不可能である。君子は現状を嘆かず、逆に幸せ者と感謝し、周りの人たちに
誠意を尽くす。すると、それが巡り巡って自分に還ってくる。
これを引き寄せの法則というのだと思うが、如何。

最後までお読みいただき有難うございました。
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◆開催予定:  <最新情報はHPでご確認ください>

・東 京【第170回】2月5日(水)@恵比寿.「ベリータ」

  <特別講演会>  2月5日(水) 17:30〜18:30   
  『ITプロジェクトと経営層の関わり方の実態と成功要因考察』
     〜IT事業者のリスクマネジメントと善後策〜
     栗山 敏さん / 武蔵大学総合研究所 奨励研究員

・広 島【第28回】 3月7日(金)@立町.「ラグーン」
   <懇親ゴルフ>   8日(土)@八本松.「広島東映カントリークラブ」

・名古屋【第44回】 未定(2月?)@新栄.「ガバチョ」<音楽の夕べ>
・大 阪【第62回】 未定(2月?)@梅田.「エスカイヤ駅前第3ビル店」

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   参加者のご紹介や【F+S Flash】のバックナンバーは上記URLで
  各種有益な情報提供やイベント等の告知があればお知らせください
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

編集後記: 今年で「F+S Forum」が20年目を迎えました。1994年スタート
から<総イベント数394回/総参加者数10,752名>となり、これも皆様
の御協力のおかげと大変感謝しております。単なる仲間の飲み会からスタート
した集まりがいつの間にか全国的な規模となり多くの仲間と知り合い情報交流
や親睦からビジネスに繋がるケースも多くなっていきました。最近は広島以外
は一時の賑わいは無くなりましたが、「人との繋がりを大切に」という趣旨には
変わりなく開催を継続してきています。少しずつですが新しい試みもしながら
参加者の方々が楽しみ役に立つような会として運営を心がけております。さて、
新年早々私と同年齢の64歳で「やしきたかじん」さんと「渡邉有三」さんが亡く
なられました。私と同じ年齢ということで年明けから「8の倍数」だなあと感じ
入った次第です。東洋医学の教科書ともいえる文献『黄帝内経』に、「女性は
7の倍数」「男性は8の倍数」の年齢の時に節目を迎え、体に変化が訪れるとい
う記述があるそうです。人の一生における節目年齢で身体の変化が起きるよう
です。大切なことは、他人と比べることではなく、自分の「ものさし」を持ち、
客観的かつ継続的に自分の変化を見ることのようです。F+Sメンバーも結構
平均年齢が高くなってきましたので、確認してみてはいかがでしょうか???

※「女は7の倍数、男は8の倍数」養命酒造:
  大切なのは変調を感じるための自分の“ものさし”です
  http://www.yomeishu.co.jp/x7x8/baisu/

※「やしきたかじん」:
  「やっぱ好きやねん」「東京」などのヒット曲で知られるタレントで歌手。
  http://yashiki-takajin.jp/

※「渡邉有三」:
  加山雄三さんが結成したバンド「ザ・ランチャーズ」の元ベーシスト
  レコード会社「ポニーキャニオン」の元常務取締役。
  http://www.oricon.co.jp/news/2032723/full/

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