F+S Flash
(Vol.27)

   

============================= CONTENTS =============================
【F+Sメンバー紹介/第23弾】
  小林 惇/FKC、前道誠也/HAL、福沢昭夫/ミノルタ
【経営とIT/[ 常 識 と 非 常 識 ]】
         <寄稿>  戸塚 泰/メディア総合研究所 顧問  
【経営とIT/「経営品質向上の実践ツールとしてのBSC活用」(1)】
         <寄稿>  高橋 義郎/日本フィリップス
  今回から4回に分けBSCに関して情報満載で怒濤の4連載です。
【セミナー紹介/「バランス・スコアカード  コンベンション2002」】
  2月15日 バランス・スコアカードの全貌が理解できる1日
【セミナー紹介/サヴィオン〜Savvion Business Manager〜】
  2月7日 「Webシステムの構築からWebサービスへの展開」セミナー
【セミナー紹介/日本情報システム・ユーザー協会】
  セミナー等各種イベント(1月〜3月)のご紹介
【人材募集】
  コマツソフト、SSJ、メイソンシステム、JSS、ソフティ、
  システムズ、ソフトウエアマネジメント(SMC)
【F+S Forum/開催予定】
  東京:【第61回】 2月 6日(水)19:00〜
  大阪:【第16回】 2月 8日(金)19:00〜
  福岡:【第 4回】 3月 1日(金)19:00〜
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■=== 【F+Sメンバー紹介/第23弾】

1)小林 惇/FKC

噛めば噛むほどアジの出てくる山男です。
毎週末は山へ隠って何をしているのでしょうか?
その秘密が今明らかになりました。

 <ご本人からの一言>  jkobayashi@fkc2000.com

FKC(フューチャー・ナレッジ・コンサルティング:www.fkc2000.com)の
小林です。福岡のFと小林のKをとり、それにConsultingのCつけて、
FKCと名付けて会社を興したのが2000年5月。皆様の暖かいご支援の
もと、ITコンサル・ビジネスを進めることが出来、大変感謝しております。

銀座6丁目にオフィイスを構えてわかった事は、銀座のランチは安くて美味い
店が多い、という事です。保証します。

さて、私事ですが10数年前から週末は甲斐駒山麓で山小屋生活をしており、
最近は竹の炭焼きに凝ってます。この時期、例年ですと近くのスキー場と
温泉にいるはずなんですが、炭焼き爺になりきってます。

昔は、何をおいてもスキーやテニスをしたものですが、
今は、晴天で風のない日しかスキー場に行けません。ゲレンデのコブが
見えないからです。その代わり、薪ストーブ用の薪集めに奔走してます。
そのかいあって先週、桜の木が入手出来ました。桜の木はストーブに
くべるのでなくチップにし、燻製作りです。
かまぼこ、たくあん、チーズ、干物、ホタテ、ゆで卵、ハム、
何でも燻製になります。夜は、それを肴に山仲間と宴です。

ところで、今年初詣に行った近くのお寺(神代寺=日本最古の桜があります)
の境内に「欲深き人の心と降る雪は積もるにつけて道を忘れる」と書いて
ありました。経営にも、人間性にも、全てにあてはまる素晴らしい和歌だと
感心すると共に、つい道を忘れがちになるこの世の中、自分にも言い聞かせて
帰ってきた次第です。

最後にモットーは「人生は楽しく、仕事も楽しく」です。
今後ともよろしくお願い致します。

2)前道 誠也/HAL

Ko+Ka+Si+Maが一緒に歩いているとF+S東京一家の組員です。
初めての方は、見た目と話し方のギャップに驚きますヨ?!。
細やかな気配りの利く気の優しい若者です。(信じてくれ〜〜!!)

 <ご本人からの一言>  maemichi@hal-g.com

ヒューマン・アソシエイツの前道誠也と申します。
F+Sへは、3年程前に弊社代表:紙岡の鞄持ちとして参加させて
いただいて以来、身の程も弁えずに参加させて頂いております。
(懐の”広い/深い”皆様方から御話頂く度に、感謝・感激しております)
外見が業界人に見えないらしく、距離を置かれる方もいらっしゃいますが、
中身は”扱いやすいデブ”です。気軽に声をかけて下さい。
(みっちゃんと呼んでね!)

・自己紹介
九州は、長崎・佐世保に生まれました。
2月で35歳(来年”としおとこ”になります)
現在の風貌からは、想像し難いと思いますが、10代半ばはボランティア
活動に参加しておりました。地方自治体交付の手話通訳者免状を所持して
おります。

将来、航空整備士になりたいという夢を持ち、高校は九州に2つしかない
自動車工学科へ進みました。その後、航空大学に進みたかったのですが、
資金面のゆとりも無く国立の短期大学へ進学。卒業後は、長崎の農協へ就職。
しかし、古くからの体質が合わずに退所。中学校の教員にでも成ろうかと
思いましたが、将来の有るよそ様の子供に、悪影響を与えるのは不幸?と
思い、採用を断り、コンピュータ業界へ平成元年に入りました。

動機は(当時)”世界一早いソアラ”を作りたいなどと考えて入ったのですが、
自動車のコンピュータユニットなどとは、全然関係ない事に暫くして気付き、
現在に至っております。

これまでに取得した資格を有効的に活用できないものかと考え、
一昨年より、中古車の買取なども行っております。
保有資格:3級自動車ジーゼルエンジン整備士、危険物取扱丙種、
高圧ガス保安管理者、ガス溶接、毒物劇物取扱...etc。
今後、古物商の免状を取る予定です。
IT関連のエンジニアではなく、どうやらメカニックエンジニアの方が
向いているような気もしております。

本業では、この5年程は三菱商事さんの仕事(現在はSAP開発関連)を
させていただいております。

おかげさまでヒューマン・アソシエイツも、設立して四期目に突入しました。
設立当初4人だった会社ですが、現在:社員8名+契約社員7名+
委託先協力会社1社で活動しております。(紙岡社長もっとがんばるのじゃ!)
昨年は、複写機メーカー:リコー社の研究開発部と直接契約をさせて頂きまして、
複写機の操作パネル制御等の開発に参加させて頂いております。

冷えきった経済の中で、若輩者の私と、弊社の動向ががどのようになるのかは、
よく解りませんが、業界を牽引していらっしゃるF+S参加の諸先輩方から
受ける刺激(エネルギー)を大切にして行きたいと考えております。

F+S参加の皆様には、今後とも、弊社代表:紙岡並びに、用心棒:前道に、
ご指導いただけますよう宜しくお願い申し上げます。

3)福沢 昭夫/ミノルタ

初参加以来楽しくお話しさせていただいております。
ぜひ色んな方をF+Sへご紹介ください。

 <ご本人からの一言>  akio_fukuzawa@ngw.minolta.co.jp

新年明けましておめでとうございます。ミノルタ株式会社・調達統括部に
所属しております福沢です。

F+Sへは、株式会社日本カルチャーソフトの安井さんから「北田氏が
参加しているからお前も参加しろ!」がキッカケでした。
北田氏は現在、株式会社オフビートの社長で、学生時代の友人です。
彼とは20年ぶりの再会で楽しく昔話をさせていただきました。

また、私は現在、調達に所属しておりますが、2年前は情報システム部に
所属しておりましたので、当時お世話になっておりましたアシストさん及び
色々な企業さんと最近のソリューションのお話をさせていただいて、
大変興味深く参加させていただいております。
これも「F+S」のおかげだと感謝しております。

さて、私はミノルタで生産管理及び情報システム関連で18年間、仕事を
してまいりましたが、今から2年前、「当社の従来からの調達のあり方を
変えたい」ということから、グループでの横断組織として調達本部が発足
され、その時に調達統括部に異動しました。

最初は、昔とった杵柄で調達業務の効率化を目指し調達IT化推進を担当
してきましたが、現在は、副資材、冶工具、消耗品や経費に含まれる
無形サービスや物品などいわゆるMRO(メンテナンス・リペアー・オペ
レーション)領域のコストダウンを担当しております。

このMROの領域は、当社の現状は、各部門、工場、事業所ごとの
購入になっており、窓口や品種の統合などを含めて取引の集約と
コストダウンの目的で、最近プロジェクトを提案・発足させました。

結局はお取引先の再編成を実施することになり、非常に辛い業務では
ありますが、当社も非常に苦しい状況にあり、プロジェクト責任者
として頑張っております。

また、F+Sで楽しいお話をさせていただき、ストレスを発散させて
いただきたく思いますので、皆さん今後もよろしくお願いします。

■=== 【経営とIT/[ 常 識 と 非 常 識 ]】 <寄稿>              
               戸塚 泰/メディア総合研究所 顧問

二年程前、ある新聞の書評欄に紹介されていた『「いい文章」の書き方』
(三笠書房)という本を読んだ。著者の千本健一郎という人は「週間朝日」
や「朝日ジャーナル」などの記者、編集者を長年勤めた、いわば「モノ書き」
のベテランで、最近十年は朝日カルチャーセンターで文章教室の講師も
担当されている。

内容は私にとって大変面白く、読後感は実に爽快であった。さすがに文章に
関するプロが書いただけあって語り口が誠に歯切れよく、思わずそれに引き
込まれてしまう魅力に溢れていたからで、途中思わず笑い出したり、うーんと
唸ったりする箇所が多かった。

また、この本の構成には「引用文」が多用されていて、それらを例に挙げ
ながら著者が言いたいことを具体的に指摘するという形式を採用しており、
そのため紋切り型のハウツー物とは全く異なる「ふくらみ」や「微妙な
ニュアンス」を読者に伝えることに成功していると思われる。

中でも最も興味を引いたのは、『「ユーモア感覚」があるとないとでは、
文章表現の幅が違ってくる』という主張をしている第四章で、私としても
参考になることが多かった。ここでは引用文としてアメリカ文学者・加島
祥造氏の「アメリカン・ユーモア」(中公文庫)を取り上げ、ユーモアの
価値とその発生過程を解説している。

以下は加島氏と友人グレン氏との、日本の「お返し」の習慣についての会話:

グ 「オカエシって実に奇妙な習慣だ、さっぱり理解できない」
加 「それは昔からの習慣で、そうするのが日本では常識だからさ」
グ 「しかし結婚式にお祝いをプレゼントするのは祝福の気持からで、
  『お返し』なんか期待していない。お返しを受けると侮蔑されたように
   感じる。これは私たちの常識 即ちcommon senseに反することだよ」
加 「たぶんアメリカ人の常識と日本人の常識とは、少し違うのかも知れない」
グ 「そんなことはないと思うね。常識とは世界じゅうに共通する一般的な
   知的能力のことだからね」

このように、日本では常識というと世間の習慣やしきたりを指す。
そういう世間的合意を先ず尊重し、個人の判断を優先させない態度が常識ある
言動とされる。ここからはユーモアは出てこない。ユーモラスな「ものの見方」
や「ものの感じ方」は出てこない。

英語でいう常識common senseは、個々人の感じ方や理解の仕方を基礎にし、
誰もがそうだと感じたり、分かり合ったりできるものを指す。
それは形式化したり権威化した態度を「笑う」立場であり、そういう感じ方を
あけっぴろげにするところにユーモアが生まれる。

こういうことならば、英語のcommon senseの訳語を「常識」とするのは
誤りで、日本の諺にある「一寸の虫にも五分の魂」の「五分の魂」がそれに
近い。加島氏はベンジャミン・フランクリンの言葉を引用する:
― 馬鹿は下手にたわごとを言い、学者は上手にたわごとを言う ―― 
しかし両方ともたわごとな点は同じだ。
こういう感じ方がアメリカ流の「常識」の世界であり、この言葉が
ユーモラスに聞こえるのもフランクリンのあけすけの自由な見方が
働いているからだ。

「常識と非常識」という対応語に関してこれほど明快な解説に出会ったのは、
私としても初めてで、思わずこの部分を何度も読み返してしまった程であった
。そして、このように謎解きされて見ると、昨今国際社会の中で日本がとかく
の非難を浴びている一因がよく説明できるように思った。日本人が常識だと
思っていること(それも無意識に)が、欧米人から見ると誠に奇異に、
「非常識」に映るケースが多いのではないか。
それが高じると日本という国が必要以上に特殊な存在と思われたり、
非常に排他的な国民だと勘違いされたりし、問題をより複雑なものにして
しまうのではないか。

歴史の本などを読むと、日本人が周囲の習慣やしきたりを重んじる風潮は
江戸時代に作られたようだ。 封建制度が強化されていく中で、将軍→ 
大名(領主)→ 代官→ 名主→   一般庶民というタテ社会の各階層ごとに
厳しい「法度」や「掟」が敷かれ、それに違反するものは容赦なく「死罪」
「御家断絶」「村八分」にされる、という構造の中では、庶民の生きる道は
結局「掟に従う」しかなく、そのような「生活の知恵」が日本的「常識」
を根付かせたと思う。明治維新や第二次大戦での敗戦等によって大きな
変革のインパクトを受けたとはいえ、村や町の狭い地域の生活者の「常識」
を覆すまでには至っていない。

その端的な事例が今だに日本の社会のそこここに見出される。
例えば産業界でも、同じ日本の中でありながら業界ごとに「常識」が異なり、
ヨソ者に対する無言の壁を作っている場合がある。
業界はもともとその業務に関する専門家の集団であるから、他にない有力な
ノウハウが蓄積されている。しかし、よく注意しないと、今まで金科玉条と
考えていたノウハウが、外から見ると不思議としか言いようのない「非常識」
に化けてしまっている、という例も少なくない。

今こそ「常識」を総点検する時かも知れない。

最後に前出の本から引用をもう一つ。アメリカの独立運動の中で、
トマス・ペインという人の書いた一文:
――「おかしいではないか! こんな状況でまだアメリカが英国の植民地で
いるなんて、常識から言って変ではないか」
日本の政治が、このような「常識」で動くことができるのは、
いつであろうか。

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執筆者:戸塚 泰(とつか・やすし)
1928年3月生まれ。53年東大工学部計測工学科卒後、オリンパス光学入社。
82年取締役、85年常務、88年専務に就任、
92年10月ユーバス(現オリンパス・システムズ)設立と共に社長兼任。
96年5月 同社退任。 
現在:メディア総合研究所顧問
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 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
   上記は、(株)メディア総合研究所が発行運営するメールマガジン
 【はつらつ!IT経営企画室】VOL.87より同社の了解の元転載しました。
       http://www.yandf.co.jp/mlmg/mlmg.html
  ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

■=== 【経営とIT/経営品質向上の実践ツールとしてのBSC活用(1)】

            <寄稿>   高橋 義郎/日本フィリップス

第1回: ・1999年にグローバルで導入したBSC
     ・EFQM支援のツールとして導入
     ・欧米の経営品質活動は日本が原点
     ・日本にあるTQMの二つの流れ
第2回: ・BSCの始まりは業績評価ツール
     ・多様な分野で導入・検討の動きが
     ・BSC活用は戦略策定が不可欠
     ・戦略達成とのつながりが重要
第3回: ・4つの視点の因果関係を明確に
     ・BSC作成をファシリテートするワークショップの例
     ・BSCの展開とコーチング・コミュニケーション
     ・顧客がいればBSCは作れる
第4回: ・経営品質向上に貢献するBSC
     ・ISO9001・2000年版を支援するBSC
     ・BSCに期待される今後の展開の可能性
     ・参考文献

・1999年にグローバルで導入したBSC

  フィリップスは、オランダに本社を置く売上高約3兆5千億円、従業員数
約22万人の企業連邦で、その日本法人である日本フィリップスは、売上高
約1,200億円、従業員約700人、グループ会社を含めると約2,000人の企業である。
あまり知られていないが、フィリップスは、コンパクトディスク(CD)や
オーディオカセットテープなどを開発した会社でもある。
日本では、コーヒーメーカー、シェーバーなどの小物家電、半導体などの
電子部品、照明機器、医療機器などを手がけている。

  我が社がバランス・スコアカード(Balanced Scorecard。以下、BSC)の
導入を決定したのは、1999年7月である。ハーバードスタイルと呼ばれる、
キャプラン(Kaplan)やノートン(Norton)の紹介した一般的なBSCは、
「財務」「顧客」「プロセス」「学習」の4つの視点を標準的に用いたもの
である。我々も、ほぼこれと同じようなコンセプトでBSCを作り展開して
いる。このなかに、重要成功要因(Critical success factor) と、
その業績を測る指標、それに数値目標を入れ、定期的に達成度を確認し
見直しをしていくのである。3年間くらいの目標を入れておくと、BSCで
中期戦略目標がわかるということになる。

  見直しの結果を示す方法として、目標値を上回るとグリーン、まあまあで
あれば黄色、目標値を下回ると赤色、という具合に色分けされ、その結果が
一目で分かるようにしている。最近では、社内のグローバルなコンファレンス
でもBSCを用いて会議を進めることが多くなってきたと聞いている。
BSCが社内の共通語として定着しつつあるようだ。
  
・EFQM支援のツールとして導入

  弊社がBSCを導入したのは、1999年7月であることはすでに述べた。
オランダ本社で、新しいクオリティー・プログラムを展開することが発表
されたときである。フィリップスでは、10年以上前から品質向上プログラムを
グローバルに展開してきたが、この新しいプログラムでは、欧州経営品質賞
であるEFQM(European Foundation of Quality Management)をセルフ
アセスメント基準とし、EFQM実践や戦略目標展開を支援するツールとして
BSCを用いることになったのである。BSC以外にも、いろいろな
方針管理や方針展開のツールがあったが、これを契機にBSCを取り入れる
ことになった。

  EFQMは、マルコム・ボルドリッジ米国国家品質賞(以下、MB賞)や
日本経営品質賞(以下、JQA)と同じように、グローバルなビジネス・
エクセレンスモデルのひとつである。そのクライテリアにどのくらい
近づいていけるかということを、継続的に進めていくのが経営品質向上
活動となるのである。  

  新しいクオリティー・プログラムには、スピードやチームワーク
(たとえばナレッジマネジメント)の向上により競争力を高めることも
望まれている。したがって、それらを示す指標をBSCに入れ込んで
目標管理をすることも必要になってくる。キャッシュフローや在庫の
回転スピードも、スピード経営につながる重要な指標のひとつである。

ナレッジマネジメントは情報の共有化であり、各部門がどのくらいの
ナレッジを共有化でき、それがどれくらいビジネスに役立ったかという
ことを、達成すべき目標の指標としてBSCに入れることもある。

サービス部門でも同様であり、彼らのお客さまは社内の事業部門であるから、
事業部門の要望や期待を実現する目標をBSCに取り込んでいくことになる。

・欧米の経営品質活動は日本が原点
  
  去年の暮れあたりからBSCの本が書店に並ぶようになった。
そのなかに、BSCというのは日本のQC活動が原点ではないか、という
主旨の文言を見かける。決して間違いではないのであるが、他の側面も
あることを忘れてはならない。

  80年代は、すばらしい品質の日本製品が世界中を席巻していた時期である。
アメリカで日本製品がハンマーで壊されるというショッキングなニュース
画面もあったが、アメリカの偉いところは、なぜ日本はそんなに強いのか
と調べたところである。今で言うベンチマーキングのようなものだが、
そのとき、アメリカの人たちは二つのことに気付いたと言われている。

そのひとつは、「日本はすごい。上から下まで、下から上までPDCAを
回している。」ということだった。

  彼らが持ったもうひとつの気付きは、「日本は、なぜ製造業だけしか
PDCAを回さないのだろう」ということであった。行政、病院、政府、軍隊、
本社部門、などの非製造部門でもPDCAを回してもいいのではないかと考えた。

そこでアメリカは自分たちでMB賞を作ったのである。これが比較的うまく
いったので、ヨーロッパではEFQMを作り、その後、日本でも社会経済生産性
本部を中心にJQAを作った。グローバルな経営品質のビジネス・エクセレンス
モデルというものは、このように世界をぐるっと回ってきたのである。

・日本にあるTQMの二つの流れ

  あくまで個人的な意見だが、日本には2つの基本的なTQMの流れがあると
思っている。ひとつは、デミング賞やQC活動から始まり、日本科学技術連盟
が中心になって進めてきたTQCの流れである。数年前に、TQCをTQMに変えよう
とした「TQM宣言」が出された。もうひとつは、JQAやMB賞を軸とする
社会経済生産性本部が中心になって進めるTQMの流れである。
こちらはどちらかというと経営品質に焦点を当て、経営戦略の展開、
顧客・市場指向経営であると言えよう。

  ISO9001でも顧客指向を掲げている。顧客の望むものを、その要求どおり
にきちんと作り供給するということである。顧客の要望に適合する
(meetする、とかsatisfaction)という意味の顧客満足である。

しかし、後者の流れでは、その意味はデライト(delight)であり、
顧客の期待を超えることを視野においている感じがある。
それをガイドするのがMB賞、EFQM、それにJQAなどのエクセレンスモデルで
あり、そのためにベンチマーキングやBSCを使うことを勧められている。

フィリップスはこちらのTQMを展開していると言って良く、自然、
BSCを導入することになったようだ。

  誤解を避けるために断っておくが、どちらの流れが良いと断言するつもり
はない。それはあくまで導入する組織が決めることなのであるということを
明確に断っておきたい。

                   高橋 義郎/日本フィリップス
                   yosiro-t@cb4.so-net.ne.jp

 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
  ※本記事は、(社)企業研究会発行 『Business Research』No.930:
   2001年12月号 特集「経営品質向上とバランス・スコアカード」に
   掲載されたものを作者の了解の元転載いたしました。
     http://www14.u-page.so-net.ne.jp/cb4/yosiro-t/
  ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

 ・《BSC関連情報》についての詳細は下記URLをご参照ください。
       BSCフォーラム http://www.bsc-forum.jp/
   BSCフォーラム<フェーズU>計画発表間近、請うご期待!!

■=== 【セミナー紹介/】
     ------------------------------------------
◇◇◇ 「バランス・スコアカード  コンベンション2002」開催! ◇◇◇
     ------------------------------------------
     バランス・スコアカードの全貌が理解できる1日
   〜企業戦略・IT・経営品質・行政関係
       ・市販パッケージ・BSCフォーラム・導入研修〜

 1992年に業績評価システムとして開発された「バランス・スコアカード」は、
 やがて「経営者情報システム」へ、そして「戦略的経営システム」へと発展・
 進化し続け、今や株主偏重経営からの脱却を目指す欧米企業にとっては必須の
 フレームワークとなっている。

 国内での本格的導入はこれからだが、TQCの方針管理とも共通点の多い
 このシステムは、日本的経営との相性の良さも指摘されている。
 ビジネスのライフサイクルに合わせた「戦略的経営システム」を可能にする
 「バランス・スコアカード」の全貌を理解する上で、これから導入を
 検討されている方々はもちろん、すでに導入済みの経営者・経営企画部門の
 担当者にとっても、今回のコンベンションは貴重な情報を得る絶好の機会と
 なるだろう。・・・・

※スピーカ等の詳細はこちらから⇒<http://www.bsc-fxli.com>

 欧米では企業経営に必須のフレームワークとされる
 「バランス・スコアカード(BSC)」
 企業戦略、ITガバナンス、経営品質など、戦略的経営をトータルにサポート
 するツールとして、民間企業はもちろん、行政関係の組織運営にも
 広く普及されると予想されます。
 そこで、今回のコンベンションでは、BSCの現状や最新事例はもちろん、
 BSC導入のためのソフトウェアパッケージやフォーラム、導入研修など、
 実践に向けて役立つ情報をご提供します。

★☆★ 開催概要 ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
 開催日程:2002年2月15日(金)
 開催時間:10:00〜17:30
 開催場所:東京国際フォーラム(有楽町)      
  主  催:富士ゼロックス総合教育研究所
 後   援:アシスト/NEC総研/NECソフト/三菱総合研究所
      横河電機/KPMGビジネスアシュアランス/
      新日鉄ソリューションズ/日本フィリップス
       NTTコミュニケーションズ/BSCフォーラム/富士ゼロックス
  協  賛:SAPジャパン/ FBトライアングル/
       SASインスティテュートジャパン
     (各社デモブース出展)
 参加費用:30,000円(昼食付き・税別)
  
1)10:00〜11:00 激動の21世紀、企業としてまた個人として何をなすべきか
 講師:ビル・トッテン氏(株式会社アシスト) 
2)11:00〜12:00 戦略的指向組織を構築する上でのBSCの有効性
 講師: 歌代 豊氏(株式会社三菱総合研究所) 
3)12:00〜13:10 各社デモンストレーション
    SAPジャパン(mySAP CRM)、FBトライアングル(ADBS)、
    SASインスティテュート ジャパン(Strategic Vision) 
4)13:10〜14:00 欧州の行政機関におけるBSCへの取り組み
 講師: モレル・フォアマン氏(英国ショービジネス社)
5)14:00〜15:15 戦略や経営品質向上を実現するエクセレンスモデル
 講師: 高橋 義郎氏(日本フィリップス株式会社) 
6)15:30〜16:30 ITガバナンスを実現するBSC
 講師: 岩永 摩美氏(KPMGビジネスアシュアランス株式会社)
7)16:30〜17:20 BSC導入の現状、BSCフォーラム紹介
 講師: 松原 恭司郎氏(QMコンサルティング代表/BSCフォーラム会長) 
8)17:20〜17:30 BSCファシリテーターを育成する研修プログラム紹介
 講師: 富士ゼロックス総合教育研究所 
 
 ※スケジュール等は一部変更となる可能性もあります。

■=== 【セミナー紹介/サヴィオン〜Savvion Business Manager〜】

  「Webシステムの構築からWebサービスへの展開」セミナー
     〜 Savvion Business Manager 3.5のご紹介 〜

 IT戦略のROIはどのような判断をすればよいのでしょうか?
 いよいよこれからは、IT投資戦略とビジネス戦略は直結しています。
 業務パフォーマンスをリアルタイムに測定できプロセス改善に結び
 つける事が重要です。まさに費用対効果を明確にするWebシステム
 が求められています。

 BPMプラットフォームであるSavvion Business Manager (SBM)が
 それを実現します。本セミナーでは、最新のオラクルDBと組み合わ
 せることにより業務プロセスの短期Webアプリ化から“PDCA”的に
 業務プロセスの継続改善を実現するSBMのご紹介と最新のソリュー
 ションであるWebサービスのエッセンスをご紹介します。

【開催日時】2002年2月7日(木)13:30〜17:00(受付13:00より)
【開催場所】日本オラクル 本社17階 セミナールーム
【定員】80名様 先着順。お早めにお申込ください。
【申込】以下のURLからお申し込みください。
 http://sbm.savvion.co.jp/bizsoloroot/SeminarRegistration/Start.jsp

【内容】
1. 「ごあいさつ」  13:30-13:45
2. 「サヴィオンのご紹介とBPMの必要性について」  13:45-14:15
3. 「Savvion BusinessManagerのご紹介」  14:15-15:15
4. 「デモンストレーションと事例紹介」  15:30-16:15
5. 「パートナー様ソリューションご紹介」  16:15-17:00

本セミナーに関するお問い合わせは
URL:info@savvion.co.jp または
TEL:03-5766-7811 へお願いいたします。

■=== 【セミナー紹介/日本情報システム・ユーザー協会】

  セミナー等各種イベント(1月〜3月)のご紹介

 JUASでは、常に最新のテーマにのったセミナーを企画しております。
 情報満載のセミナーに是非ご参加ください。
 詳細は、http://www.juas.or.jp/seminar/index.htmlをご覧ください。

―――――――――――――――――――――――――
1)今、問われる「情報セキュリティ」の企業責任を考える
   〜参加者特典!
   御社サーバーのセキュリティホール調査レポートをお渡しします!〜

  講師:荒川 幸式氏
  株式会社アーク 代表取締役 日本システム監査人協会副会長
  日時:平成14年2月15日(金) 13:30〜17:00
  会場:JUAS 四階研修室
―――――――――――――――――――――――――
2)情報セキュリティ管理者養成講座−セキュリティポリシー策定編
    〜国際標準準拠のモデルセキュリティポリシーを作成し、
                       持ち帰れます!〜

  講師:田渕 治樹
      独立行政法人 製品評価技術基盤機構 情報セキュリティ室室長
  日時:平成14年2月21日(木)、22日(金) 2日間 10:00〜17:00
  会場:JUAS 四階研修室
―――――――――――――――――――――――――
3)〜 システム保守管理者向けセミナ 〜
   企業の情報システム保守改革へのガイド
 −情報システム保守プロセス改善のヒントを提供します
 ユーザとベンダ、それぞれが求める情報システム保守とは−

  講師:島田 洋之氏
      東京海上コンピュータサービス株式会社 代表取締役常務
          小崎 将昭氏
      新日鉄ソリューションズ株式会社 顧問
          増井 和也氏
      東芝ITソリューション株式会社 cソリューション事業部担当部長
  日時:平成14年3月12日(火)10:00〜17:00
  会場:JUAS 四階研修室
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4)今年度も、とうとう一色先生が登壇します!
    一色浩一郎博士の 第10回 米国最新情報技術旋風
    〜生き残り、さらにビジネスを拡大させるカギは、
                 情報を見極め差別化すること〜

  講師:一色浩一郎氏
    カリフォルニア州立工科大学 教授(経営学博士)
  日時:平成14年3月15日(金)13:30〜17:00
  会場:JUAS 四階研修室
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5)システムコンサルティング能力養成講座(初動期編)
 〜初動期におけるシステムコンサルティングの実務〜

  講師:宮崎和郎氏
   (社)日本情報システム・ユーザー協会 常務理事
   公認会計士
  日時:平成14年3月28日(木)・29日(金) 10:00〜17:00
  会場:JUAS 四階研修室
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6)最先端のITビジネスを探り、次世代のコミュニケーション、
  システムテクノロジーを生かすシステム化動向調査ツアー

  コーディネータ:東山尚氏 システムコンサルタント
  訪問都市:ハンブルク・ハノーバー・ミュンヘン・
      アムステルダム・パリ
  日時:平成14年3月11日(月) 〜22日(金)
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  お問い合わせ等は下記へ。
  社団法人 日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)
  担当:  近田(chikada@juas.or.jp)、石川(ishikawa@juas.or.jp)
  電話:03-3249-4102   HomePage:http://www.juas.or.jp/

■=== 【人材募集】

1)コマツソフト: http://www.komatsusoft.co.jp
   PM/PLおよびソフトウエア技術者(SE,PG)を募集中!!
   詳細は氏部さんまで、tatsuo_ujibe@komatsusoft.co.jp
2)エスエスジェイ: http://www.ssjkk.co.jp
   基幹業務・会計パッケージの開発SE・PGを大募集!
   PowerBuilder、PL/SQL、C++、VB、SQL-Windows/Centura等の
   経験のある方を求めています。
   問合先:recruit@ssjkk.co.jp 担当:石井
3)メイソンシステム: http://www.mayson.co.jp/
   生産管理のコンサルタント&SEを募集中
   詳細はメイソン/早川さんまで、hayakawa@mayson.co.jp
4)JSS: http://www.jsscorp.co.jp/
   ソフトウエア開発技術者(SE,PG)を募集中!!
   詳細はJSS/西田さんまで、t-nishida@jsscorp.co.jp
5)ソフティ: http://www.softy.co.jp
   関西拠点の技術者を募集。勤務地は大阪
   オブジェクト指向を理解してるSE、システム分析者ほか
   詳細はソフティ/工藤さんまで、kudo@softy.co.jp
6)システムズ: http://www.systems-inc.co.jp
   上場を目指し、実力のある営業および営業管理者を募集!!
   詳細はTRU/西嶋まで、GGD02470@nifty.ne.jp
7)SMC:  http://www.smc.co.jp/
   ERP事業の立ち上げのためSAP/R3経験者求む!!
   詳細はSMC/杉田さんまで、sugita@smc.co.jp

■=== 【F+S Forum/開催日程】

・月例会開催予定:

  東京:【第61回】 2月 6日(水)19:00〜
  東京:【第62回】 3月 6日(水)19:00〜
  大阪:【第16回】 2月 8日(金)19:00〜
  福岡:【第 4回】 3月 1日(金)19:00〜

・月例会実施報告:

  ◆◆◆『F+S福岡特別<別府>開催報告』◆◆◆

 11月の定例会の中で話しが盛り上がって
 別府でゴルフ+温泉で関鯖を食べる1泊ツアーでした。
      http://www.beppu-navi.com/

 ・開催日:1/26(土)〜27(日) <別府>
 ・参加者:ゴルフ2組(8名)+2名
 ・ゴルフ:別府ゴルフ倶楽部
    コースは大変良かったのですが
    前日からの雨(+風+時々あられ)に祟られた天候が敵でした。
    晴れた天候の良い季節に再度チャレンジしたいものです。
 ・ホテル:ホテルキャッスル
    眺めは最高、温泉も良かった!!
    幹事のお陰で安い(関鰺+関鯖+酒、込々で1万円ちょっとでした)

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
 「人が創る」を合い言葉に、「F+S Forum」を通じてより良い社会へ
    http://member.nifty.ne.jp/TRU-Solutions/tru-04.htm/
  参加者のご紹介や【F+SFlash】のバックナンバーは上記URLで
 各種有益な情報提供やイベント等の告知があればお知らせください
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編集後記: アッという間に1月も終わりそうです。雨に祟られた別府特別
も終わり、ホットしています。それにつけても別府のゴルフは寒かったなあ。
あと2ヶ月で今年度も終わりですが皆様の会社は成績はいかがでしょうか?
ユーザ企業へのITアドバイザのニーズがますます高まっていると気がする。
過去のIT業界の構造に起因していると考えるが、あまりにも売る方の一方
的な視点での提案が多すぎる。しかし、既に変動の時期となりキャリアの考
え方も変わってきている。組織に寄りかからず、自らが自己の能力を最大限
発揮(かつ、その能力の継続的な拡大)出来るような仕組作りが必要な時代
となっている。そのためには、基本となる経験や能力以外にもプロ意識とリ
スク管理と行動力が必要となるが、経験できる機会の少なかった日本ではそ
の拡大のペースは非常に遅い。その実現への支援が必要となっている。ユー
ザ視点はもちろん、ユーザ側の立場でIT業界を仕切る人材の育成と拡大。
これをこれからのライフワークのひとつにしたいのだが、まずは自分の足固
めから!!一緒に取り組んでくれる方、是非ご一報をお待ちしております。
『F+S Flash』への自己紹介をお願いした方々、早めに原稿を送ってください。

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