F+S Flash
(Vol.21)

   

============================= CONTENTS =============================
【F+Sメンバー紹介/第19弾】
  池松 淳/アシスト、古田 伸二/日本HP
【経営とIT/「 主役とワキ役 」】   <寄稿> 戸塚 泰/Y&F
  上司たるもの、部下にまかせワキ役に回れる勇気を持つべきでしょう
【経営とIT/ERP市場動向】     西嶋 陽一/TRU
  第2次ERPブームの光と影、あなたのプロジェクトは大丈夫???
【経営とIT/CRM市場動向】     加藤 恭子/日本ピボタル
  ますます盛り上がるCRM業界、まずは製品分類から連載スタートです
【IT関連の寄稿を募集しています】   鯨井 栄次/アシスト
  読者の皆様へ:IT関連の記事・論文の掲載希望者を募ります
【セミナー案内/BPCS新バージョン発表会】9月13日(木)青山テピア
  基調講演にはベストセラー「トヨタ式最強の経営」著者の金田秀治氏
【人材募集】
  SSJ、メイソン、JSS、ソフティ、システムズ
【たつべー杯】 9月22日(土) 牧野パークゴルフ場 <参加者募集中>
  今回はF+S大阪(9/21)と日程を合わせての開催です。
【F+S Forum/開催日程】
  東京:【第57回】 9月 5日(水)19:00〜
  大阪:【第14回】 9月21日(金)19:00〜
  福岡:【第 2回】 9月14日(金)19:00〜
  GOLF:【第13回】 9月 7日(金)〜8日(土) 下田CC=====================================================================

■=== 【F+Sメンバー紹介/第19弾】

1)池松 淳/アシスト

 そういえば奇術部だったことを思い出しました。
 もう入社15年ですか、こっちが歳を取るはずですね。ヤダヤダ...(・_・;)
 F+S福岡の維持拡大を宜しくお願いいたします。

 <ご本人からの一言>  aikematsu@ashisuto.co.jp

 みなさま、こんにちは、アシストの池松でございます。
 昨年9月に福岡営業所に赴任して、間もなく1年になろうとしています。
 みなさまに羨ましがられている、博多の単身赴任者です。

 「博多で単身赴任すると身を持ち崩す」と言われ続けて1年が経ちますが
 かろうじて身は崩れておらず、整っている方だ、と自分では思っております。

 私は京都で生まれ、五重塔で有名な東寺の近くで育ち、
 結婚後は、PL学園と花火で有名な大阪の富田林という所に住んでおります。
 大学は、矢井田瞳を輩出した関西大学に通い、学生時代は、
 奇術(マジック)部に所属し、奇術を生業として学生生活を過ごしておりました。

 当時は、企業主催の子供会や母子寮などへ慰問したり、関西奇術会の重鎮
 ゼンジー北京師匠の付き人などで得た収入で、クラブを運営しておりました。

 今でも、要望があれば、パーティや宴会などで、僭越ながらマジックを披露
 させて頂いております(もちろん現在は無料です)が、最近は、テクニックを
 必要とするものよりも、お金でネタを購入し、練習のいらないものに走る傾向が
 あります。(結構マジックのネタって高いんですよ。興味のある方は、専門店を
 ご紹介致します。)

 卒業後アシストに入社したのが、昭和61年で、今年で丸15年になります。
 入社の最終面接者が西嶋さんでした。(といっても面接はこれ1回だけでしたが)
 アシストで15年間、一応、機嫌よく働けているのも、西嶋さんのお陰だと
 感謝しております。

 F+Sには、4月の沖縄大会に初めて参加させて頂きました。
 その時、FQSの小宮氏と息投合し、ぜひ博多でも開催させようと、
 沖縄の青い珊瑚礁の海の前で誓い合いました。

 それが、ようやく7月に実現し、多くの方にご参加頂くことができました。
 何かのご縁で、数多くのみなさまとお知り合いになることができましたので、
 この輪をもっと太く、大きく育てていきたいと考えます。
 何卒、よろしくお願い致します。

2)古田 伸二/日本HP

 大阪から東京に帰ってきてからも継続して参加いただいています。
 F+S沖縄へも遠征いただきました。
 何となくいつも仕事を楽しんでおられるようにお見受けします。

 <ご本人からの一言> shinji_furuta@hp.com

 日本HP(株)の古田と申します。
 一昨年、私は大阪に単身赴任しておりました。とは言いましても神戸の実家に
 転がり込みましたので、単身の醍醐味は味わえませんでしたが。その折に
 梅田の新阪急ホテルでメイソンシステムの早川社長に偶然お会いしたのが
 F+Sとの出会いでした。
 早川さんの初対面とは思えない程の親しみあふれたお誘いを受け、
 その日そのままF+Sフォーラムに初参加しました。

 学生時代は工学部におりましたが、自分が一番したくないと思っていた
 セールスの仕事に就くとは夢にも思いませんでした。
 当時リクルートにきた先輩から、営業になったら車がもらえて秘書がついて
 その上ボーナスもがっぽりもらえると誘われ、以来20年コンピュータの
 営業をやっています。今ではこの3つのメリットは雲のかなたですが、
 この仕事のおかげでの方々とたくさんお会いでき、自分自身の幅を広げる
 ことができたと感謝しています。

 子供のころは、両親の方針もあってピアノや絵画などの文化的な習い事を
 やっていましたが、中学からバスケットボールを始めました。高校、大学
 そして就職してからも止めることができず、今では会社のバスケ部の名誉監督
 というありがたい称号をいただいています。
 私の小さな夢は、これまでの経験をいかして子供たちに楽しいバスケットボール
 を伝えていくことです。今までは環境が整いませんでしたが、そろそろ行動を
 おこそうかなと思っているこの頃です。

 F+Sフォーラムは、いろんな経験をもたれた方々とITソリューションから
 スポーツや娯楽まで情報交流できる、私にとって貴重な場となっています。
 同じことを望んでいる他の人にも紹介しながら皆勤賞を目指してできる限り
 参加したいと思っています。
 これからもよろしくお願いいたします。

■=== 【経営とIT/「 主役とワキ役 」】   <寄稿>

                 戸塚 泰 ワイアンドエフ(株)顧問

 もう大分前になるが、遠藤周作さんが日経新聞に「主役とワキ役」というエッ
 セーを書いておられたのを読んだ記憶がある。手元にコピーがないので内容を
 正確にお伝えできないが、概ね次のような要旨であったように思う。

 家庭における「夫婦」について、昔からその相互関係のあり方の論議が盛んだ
 。男女同権の論争ともからめて、夫が家事を手伝うべきだという類いの意見が
 新聞紙上でもよく見かける。しかし、夫婦というのは自分達の家庭を維持発展
 させていくという共通の目的を持っており、夫と妻はその目的達成のために互
 いに役割を分担し合っている、というのが本来の姿である。

 例えば、昔ながらの「夫は外へ稼ぎに出掛け、妻は内を守る」といった夫婦の
 場合、お金を稼ぐという役割の主役が夫であり、妻はワキ役としていわゆる"内
 助の功"を果たす。一方、家事とか育児に関しては今度は妻が主役であり、夫は
 ワキ役として妻の仕事がやり易いように助ける。こう考えれば、両者の関係は
 全く対等で、かつ十分な"相互依存"の関係として成り立っていることが分かる
 。従来、ともすると前段の部分のみが強調され、後段の見方が軽視されてきた
 が、上記のように整理して考えれば何ら不自然な部分はなく、ごくスムーズに
 夫婦の間の対等な関係が理解できる。

 この話を結婚披露宴のスピーチでやると結構受けますよ、というのが遠藤さん
 の文章の締めくくりだったと思う。

 この文章を読んだ時の私の感想は、夫婦というものを企業などの「組織」と同
 じに見ているのかな、というものだった。私も過去、四十余年に亘って組織の
 中に身を置いた人間であるが、上述の「主役とワキ役」の概念は常に気にかけ
 ているテーマでもあった。私の経験では、組織を機能別に分けて考える際には
 この概念は割合理解し易い。開発・製造・販売等々の組織では各々の「役割」
 が比較的はっきりしていて、主役として、ワキ役として、何をなすべきかが或
 る程度自然に分かってくる。

 ところが、この組織をタテに見た、いわゆる「上下関係」の場合にはこれはそ
 う簡単にはいかない。社長 ― 事業部長 ― 部長 ― 課長 ・・と連なるタテ組
 織で夫々の役割は何か、を問われて即答できる人が何人いるだろうか? まし
 てや、それを主役とワキ役の関係として表わそうとすると実に大変である。こ
 れにラインとスタッフの関係などが加わるとこれが更に複雑になってくるので
 ある。

 管理者研修会などの教材としてよく利用される、新田次郎の「八甲田山死の彷
 徨」には、このことの難しさを如実に示す事例が示される。明治35年1月、青森
 歩兵第5聨隊210名が雪中行軍で遭難した事件で、直接の責任者である「神田大
 尉」及びその上司である

 「山田少佐」の役割意識の混乱から、199名もの死者を出してしまう。神田大尉
 は、実施計画の案画の段階から一々山田少佐の意向を仰ぎ、山田少佐の方も一
 旦は全権を神田大尉に任せると言っておきながら、いざとなるとすべて「自分
 の命令」として部下に直接指示を出してしまう、といった誤りを犯す。結果は
 事前準備もそこそこに出発して吹雪に突っ込み、大惨事を引き起こすこととな
 った。

 ここでの最大の教訓は、一旦仕事を部下に任せたからには、その仕事の主役は
 その部下であり、上司はあくまでワキ役に徹して部下の仕事がやり易いように
 気配りをする役回りをすべし、ということである。平素はそのことが分かって
 いる積もりでも、いざという場面で馬脚を現わしてしまう、その危険に対する
 警告でもある。

 こうして見ると、主役としての自分は何をなすべきか、ワキ役に回った時には
 何をなすべきか、を日頃から余程しっかりと考えて自分に言い聞かせたり、相
 手にもそれを分かって貰うようにしたり、といった心掛けや努力が極めて大切
 だということになる。

 もう一つの例を紹介しよう。さる精神科のカウンセラー医のところに、或る中
 堅企業の社長が訪ねてきて、「最近、疲れがひどく、夜もよく眠れません。し
 かし会社のことを思うと、ここで私が倒れたら大変です。何かよい薬でもあり
 ませんか」と訴えた。暫くの間お互いの問答があり、次いで医者はこの社長に
 紙と鉛筆を渡して「あなたが今やっている仕事をここに書いて下さい。そして
 それらをあなたが重要だと思う順序に並べてみて下さい。」と言った。暫くの
 呻吟の末、出来上がったリストをじっと見ていた医者は、「社長さん、明日か
 らはこのリストの上から5番目までをあなたの仕事とし、それ以外の仕事を一
 切やめて見て下さい。それが私の処方箋です。」と言ったという。

 3ケ月程して、この社長が再び訪ねてきたが、大変顔色もよく、「今日は先生
 にお礼に伺いました。自分の本来やるべきことをロクにやりもしないで、部下
 のやることにイライラしていた自分が恥ずかしくなりました。」と元気に報告
 したそうである。

 以上をまとめて見ると、「夫婦」―「八甲田山」―「処方箋」といった"三題噺
 "にでもなってしまいそうだが、ついでに「四題目」を付け加えると、このエッ
 セー集でも以前に紹介した、荻生徂徠の「心得の条」の中から、

一つ 小過を咎むる要なし ただ事を大切に為さば可なり
一つ 用うる上は その事を充分に委ぬべし

  ------------------------------------
  戸塚 泰(とつか・やすし)
  1928年3月生まれ。53年東大工学部計測工学科卒後、オリンパス光学入社。
  82年取締役、85年常務、88年専務に就任、
  92年10月ユーバス(現オリンパス・システムズ)設立と共に社長兼任。
  96年5月 同社退任。
  現在:ワイアンドエフ(株)顧問
  ------------------------------------
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
   上記は、ワイアンドエフ(株)が発行運営するメールマガジン
 【はつらつ!IT経営企画室】VOL.70より同社の了解の元転載しました。
       http://www.yandf.co.jp/mlmg/mlmg.html
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

■=== 【経営とIT/ERP市場動向】  西嶋 陽一/TRUソリューションズ

 第2次ERPブームの光と影、あなたのプロジェクトは大丈夫???           

1)第2次ERPブーム???

・増加するERP導入プロジェクト

 日本では、昨年の後半からプロジェクトが増加してきている。依然として
 検討期間は長いものの中堅企業におけるERPの検討・導入もようやく本格化
 しつつある。また、製造業のみならず流通・サービス業などへの導入が進んで
 いることも見逃せない。

 主要ERPパッケージのweb対応や製番対応も当然となり、より進んだ
 日本化対応の時代に入ってきている。また、外国製と同等の機能を持った
 国産パッケージも出てきた。このことも市場が活性化されていた要因のひとつ
 と考えられる。

 ERPが日本へ本格的に参入しだしてから6〜7年が経過しようとしている。
 しかし、いまだに導入しない最大要因として「自社の業務や商習慣に合わない」が
 挙げられている。これは、一概にパッケージベンダーの責任にはできない。
 もちろん、もともとが製造業への適用を前提として育ってきたERPを他業種へ
 適用することには多くの問題を含み。パッケージベンダーの努力に依存する部分は
 大きい。

 しかし、製造業においても同じような話を多く聞く。これは、現状の業務から
 スタートしボトムアップ型で業務要件を詰めていくことに問題がある。
 これでは、使いにくいとか、レポートが合わないとかが、大きな問題として
 あがってしまうことになる。ERP導入を、経営革新のためのシステムインフラの
 革新と位置付けて、ERPパッケージの持つ強みを活かせるかどうかを議論すべき
 である。問題は顧客方針である。

・深刻になりつつある人材不足

 市場活性化のあおりを受け、ERP系人材が大きく不足してきている。
 そして、人材不足のあおりを食って初心者や未経験者がプロジェクトに
 アサインされトラブル・プロジェクトとなる危険性が多くなりつつある。

 特に、導入プロジェクトの要となるプロジェクト・マネージャー(PM)や
 コンサルタントの質がプロジェクトの成否を決するにも関わらず、ユーザが
 十分吟味できていないケースも見られることは残念である。

 現在のIT業界はコンサルタントとPM不足である。特に、パッケージの知識
 のみならず業界や業務の知識が不可欠となるERPやSCMの導入ではその傾向が
 顕著となる。

 もともと日本の情報サービス産業ではこのような人材を育成してこなかった。
 顧客の要望を100%実現することのみを追求し、目的目標を顧客とシェアし
 その実現へ企画段階から関わるような活動をやってきていない。この点では
 顧客側にも責任の一端はある。

 顧客として今できることは、1)「会社(ブランド)」ではなく「人」で選択する、
 2)SI/ベンダー/コンサルに対して主導権を握れる知識能力をつける、
 (能力が不足していれば、プロのアドバイザーをアサインし、SIやベンダーとの
 コーディネーションやアドバイスを依頼する)、3)契約段階で可能な限り
 関連組織の役割を具体的に明確にしておく、ことである。

2)市場シェア変化

・SAP+Oracleの2強時代へ

 日本の実績主義(?)が功を奏したのかSAP社とOracle社が実績を伸ばしており、
 3位以下がドングリ状態であり、2位との差が開いている。

 Y2K以降の伸び率の鈍化を受けリストラや日本法人の社長交代もあったためか、
 日本企業の実績主義やブランド志向に助けられ2社は順調な伸びを達成している。
 しかし、今年度に入りERPベンダーの多くが近年にない契約実績となっており、
 今年度の終わりには勢力図が塗り替えられる可能性もある。

  <ERPパッケージ TOP10>
1.SAP 24.7% 2.ORACLE 14.9%
3.SuperStream 10.3% 4.GLOVIA 6.3%
5.JDEdwards 4.6% 6.BAAN 4.0%
7.SSA/BPCS 4.0% 8.Protean 3.4%
9.GEMPLANET 2.3% 10.MCFrame 2.3%
      (※出典:ERP研究推進フォーラム)

・虎視眈々とチャンスを狙う3位以下グループ

 3位以下のグループは、国産パッケージの台頭が目立つ。中堅中小企業中心に
 1000社以上へと実績を伸ばしているものも増加しており、一気に単独3位への
 可能性もある。しかし、その多くが単機能パッケージでありERPパッケージ
 として評価すべきかどうかは迷うところもある。ただし、日本企業が汎用業務
 パッケージをどんどん採用していることは大いに評価できる点である。

3)ERP製品の変化

・拡張ERPの実現

 企業がeビジネスへの移行速度を高めていることに対応するためにERP
 パッケージも大きく変貌を遂げようとしている。

 ERPパッケージがカバーする業務エリアとして、セールス、製品開発サイクル、
 MES、デリバリ、サービスなどを一貫して取り扱う方向であり、
 その基盤技術としてはWebを中心としたインターネット対応とデータベースの
 整備に焦点を当てている。言い換えれば、eビジネスを取り込んだ企業活動全体
 をカバーするトータルソリューション化の方向である。

 また、その他にもビジネス・インテリジェンス(BI)分野とモバイル対応
 そしてワークフロー(WF)やナレッジマネジメント(KM)などに
 各社とも積極的に投資してきている。

 その他、ERP各社が積極的に取り組んでいることに、
 EAI機能を拡張し、SCMやCRMとの連携や各種EC系システムとの連携を
 容易にしてきていることが上げられる。これは、ERP側からの努力のみならず、
 関連パッケージ側からのEAI機能(と呼ばないケースもあるが)の強化にも
 助けられ、今後もこの傾向は進むものと考えられる。

・データ活用への進化

 ビジネスプロセス中心であったERPが、収集したデータの活用視点に拡張が
 進んできている。データウエアハウス(DWH)から従来のOLAPの延長線上
 にあるビジネス・インテリジェンス(BI)機能の拡張はもとより、SAPや
 Oracleには、最近国内でも検討や導入が進みつつあるバランス・スコアカード
 (BSC)機能を持ったコンポーネントも開発が進んでおり、そろそろ活用可能な
 状態になりつつある。このようにユーザのニーズを先取りするのもERP導入の
 メリットのひとつであろう。

■=== 【経営とIT/CRM市場動向】   加藤 恭子/日本ピボタル

『CRM製品の分類と市場動向、ベンダーの動き』

1.CRM製品分類

 現在、数多くのベンダーが「自分たちのプロダクトはCRMである」と宣言している。
 その理由は簡単で、CRM(Customer Relationship Management)と名がつけば、
 それだけで注目を浴びることができるからである。ERP(Enterprise Resource
 Planning)ブーム時に会計パッケージベンダーが自らをERPだと言った、
 あの状況に似ている。

 ここでは、CRMのパッケージを下記のように分類したい。
 ただしこの分類は正確ではない。そもそも、こういうくくりで分けられないのだが、
 その製品が一番強い部分にあえて入れてみた。
 たとえば、当社のCRMであるPivotal(ピボタル)は、SFA(Sales Force Automation)
 出身であるものの、北米では分析系の製品を出しているし(E.piphanyのOEM)、
 この秋に日本での出荷が予定されている「Pivotal eSelling(ピボタルイーセリング)
 」は、クロスセリングやアップセリングの機能(Webサイトにアクセスしてきた
 顧客に対し、機能・価格上位製品を提案したり、同時に消耗品の購入も薦めるなどの
 機能)を備えたEコマースサイトの構築を実現する製品で、まさにEコマース系に
 分類される。だが、ここではあえてSFA系に分類した。というのも、出所がSFAであり、
 その分野での機能がもっとも充実しているからである。他の製品もそのように
 分類してみたつもりだ。

 1)Eコマース系:BroadVision、ATG、Blue Martini、Firepond、Vignette
 2)SFA系:Siebel、Pivotal、Onyx
 3)コールセンター系:Vantive(Peoplesoft CRM)、Clarify(ノーテル)、Remedy
 4)分析系:E.piphany、SPSS、SAS
 5)電子メール自動レスポンス系:Kana、eGain

 そして、これらのCRMの世界に飛び込んできたのがSAPやOracleなどである。
 彼らの強みは、顧客情報管理の部分だけでなく、統合的なソリューションを提供
 できること。元からオーダーエントリ分野にも強いため、「今までフロント系
 だけを見てきたCRM専業ベンダーに対しても優位性がある。今、急速に優れた人材を
 CRM分野に投入しており、彼らが育ってくると脅威になる」(ある中堅SIベンダ
 幹部談)、という見方もでている。

 そして最近、JDエドワーズもCRMベンダであるyouCentricを買収した。
 これはSAPやVantiveを買収したPeoplesoft、Aurumを買収したBaanなどの動きと
 よく似ている。これで5大ERPベンダ(古い言い方だが)全てが、買収や自社開発等で
 CRMを手に入れたのである。Peoplesoftは秋にPeoplesoft CRM(旧Vantive)製品の
 お披露目を予定しているので、その動きも見逃せない。ERPベンダは皆、
 ノンカスタマイズでERPを導入するだけでは、足りなかったものにいよいよ
 気がついている。そしてその方向転換に必要なプロダクトとしてあげられたのが
 CRMなのである。SAPのホームページを見ると、トップページで解説されているのは
 CRMである。

 Remedyは買収されてからの動きがよく見えなくなっている。また、ノーテルは
 社長の村上憲郎氏(元DEC、インフォミックス)が8月より相談役に退いた。
 他の大手CRMベンダでも社長交代の噂がささやかれている。オニックスも5月には
 帝人コグノスから橋本氏を社長として迎えている(ピボタルは変わりません。
 念のため)。このような人事関連の動きもパッケージ導入時には見逃せないと、
 私は個人的に思っている。力のある社長が動くと、その人間関係は全部移動して
 いくのだ。

2.北米のオスカー賞

 北米のISMという会社がCRMベンダーの「オスカー」(映画でアカデミー賞って
 いうのがあり、そこでオスカー像がもらえますよね?)とも言うべき15社
 (15プロダクト)を2001年2月に選定している。まだ日本国内に進出していない
 ものも含まれているが、参考になるので、ここに掲載する。

 詳細はISMの"The Guide to CRM Automation"第9版を参考にしてほしい
 (http://www.ismguide.com/)なお順番はアルファベット順であり、
 これが順位を示すものではない。なお社名は2001年2月現在のもので、
 現在とは一部異なっている。買収されてしまったものもある。
 製品のバージョンも発表時点の北米での表記である。

 ・Applix, Inc. Applix iEnterprise v. 8.0 (www.applix.com)
 ・Interact Commerce Corporation SalesLogix 2000 v. 4.02 (www.interactcommerce.com)
 ・Nortel Networks Clarify eFrontOffice v. 10.0 (www.nortelnetworks.com)
 ・Oncontact Software Corporation eCMS (www.oncontact.com)
 ・ONYX Software ONYX 2000 (www.onyx.com)
 ・PeopleSoft, Inc. Vantive Enterprise v. 8.5 (www.peoplesoft.com)
 ・Pivotal Corporation Pivotal eRelationship 2000 (www.pivotal.com)
 ・Point Information Systems e-point 5 (www.pointinfo,com)
 ・Remedy Corporation Remedy CRM Solutions Suite (www.remedy.com)
 ・SAP AG mySAP CRM 2000 (www.sap.com)
 ・Siebel Systems, Inc. Siebel Sales 2000 (www.siebel.com)
 ・Staffware (formerly MarketForce Software) Staffware eCRM v. 8.0 (www.staffware.com)
 ・update.com software AG marketing.manager 4.6 (www.update.com)
 ・Worldtrak Corporation Worldtrak v. 5.0 (www.worldtrak.com)
 ・YOUcentric, Inc. YOUrelate (www.youcentric.com)

3.最後に

 このマガジン内では別に自社のCRM製品を宣伝するつもりはない。
 ただ自分が一番知っているのはどうしてもPivotal(ピボタル)になってしまう
 ので、ピボタルを例にあげることは多くなってしまうかもしれない。

 内容としては書籍などで語られているCRMの概念などではなく、
 業界ネタなど、もう少し泥臭い部分に迫っていくつもりだ。

 ピボタルは、現在も販売代理店の1つであるイーストが、総販売代理店(当時)
 としてもう4年ほど前から日本国内で販売および日本語化(現在はピボタルが
 日本語化も行っている)を行っていたことで、すでに130社の導入実績もあり、
 大手生命保険、大手ガス会社、大手ホテルチェーン、ケーブルテレビ会社、
 大手リース会社、大手食品メーカ、大手ポータルサイト、大手ITベンダ、
 大手測量メーカなど多数で導入されている(この原稿を書くにあたって
 社名の掲載許可をとっていないために、念のため社名は伏せている)。
 CTstageと連携したコールセンターの事例もあるが、やはり圧倒的にSFAの
 事例が多い。事例等に関しては、9月11日にマイクロソフトの会場(新宿から
 徒歩3分ほど)でPIVOTAL CRM SOLUTIONというイベントを開催、各パートナー
 によるソリューションを、デモを交えて紹介する予定である。
 これは無料なので、もし興味を持たれた方がいたらご来場いただきたい。
 詳細はピボタルのホームページで。(http://www.pivotal.co.jp)。

 では次号で。

   著者:加藤 恭子 CXP03466@nifty.ne.jp
       インフォミックス、バーンジャパン、エスエスジェイなどを経て、
       現在、日本ピボタル株式会社 マーケティング担当マネジャー。

            #この原稿は、あくまでも個人的見解であり、
             日本ピボタル社の公式発表ではありません。
            #一般に社名、製品名は商標または登録商標です。

■=== 【IT関連の寄稿を募集しています】   鯨井 栄次/アシスト

 アシストでは、昨年よりソフトウェアの総合調達支援サイトとして、
 「PowerBiz」を運営して参りました。

 このWebサイトではパッケージソフトの検索やセミナー/イベントのご案内、
 キャンペーン情報、IT情報の発信等を行っています。
 企業のIT部門の方々やSI会社、ソフト会社の方々への情報提供でお役に
 立てればと願っています。

 徐々にメンバーも増え現在は次のような状況です。
  ・メンバー数:4,000名 ・登録企業:180社 ・登録ソフト:300タイトル
 また、アシストと面識のある方々、35,000名に隔週でメールマガジンを
 発行しています。

 『F+S Flash』読者の皆様の中で、IT関連の記事・論文の掲載をご希望の方
 がいらっしゃいましたら、是非ご連絡ください。お待ちしてます。

<PowerBiz:特別掲載記事の仕組み>

 有識者の方々からIT関連記事、論文等を寄稿いただき、Webサイトで掲載し
 多くの方々にお伝えするサービスです。

 誠に恐れ入りますが原稿料は御座いませんが、著者や会社のご紹介、
 ホームページへのリンクや書籍のPR、セミナーのPR等にご利用いただけます。

 1、PowerBizメールマガジン(35,000通)にてご案内し、
   Webサイトに引き込みます。
 2、WebサイトではPowerBiz特別掲載記事として専用ページをもうけ
   掲載します。掲載にあたってはPDFで行い、著作物の保護に配慮しています。
 3、ボリュームが多い場合は数回に分け、連載と致します。
 4、既に発表した記事・論文でも結構です。

 この8月から始めました掲載記事は下記のURLにてご覧いただけます。
 ご確認ください。  http://www.powerbiz-j.com

                鯨井 栄次 ekujirai@ashisuto.co.jp
                (株)アシスト 営業推進部

■=== 【セミナー案内/BPCS新バージョン発表会】

 SSAグローバルテクノロジーズジャパン
  新バージョンV8ご紹介セミナー開催

 この度、日本の製造業向けの先進ソリューションとして、
 ERPパッケージ BPCS新バージョンV8のご紹介セミナを
 下記のとおり開催いたします。

 基調講演には、長年にわたって生産の現場改善から生産システム構築に
 至るまでの「モノづくり改革」に幅広く取り組んで来られ、また、
 ベストセラー「トヨタ式最強の経営−なぜトヨタは変わりつづけるのか」の
 著者である金田 秀治 先生を講師に迎え日本の製造業の将来へのご提言を
 ご講演いただきます。
 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
   『ニッポンの工場力強化を支援するERPシステム』
     〜 次世代Open eRPパッケージ BPCS V8 〜

  9月13日(木)13:30〜 青山テピア テピアホール4階

  1)基調講演『ニッポンの製造業の将来への提言』
        〜モノづくり・人づくり・システムづくり〜
      講師: 金田 秀治 (株)コア 副社長
    ・21世紀の日本の製造業はどう変わるのか
    ・工場力を強化するシステム再構築の進め方
    ・日本的生産管理システムの経営効果と実践の仕方
  2)BPCS導入事例紹介
  3)BPCS/V8新機能のご紹介
 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
 インターネットビジネスをはじめ、SCM、CRM、BIなど、
 目まぐるしく発展するIT環境のなかで21世紀の新たなる戦略システムに
 おける基幹システムの役割を明確にし、製造業の生産管理分野でのシステム
 課題を解決するためのソリューションを中心にご紹介させて頂きます。

 この機会に是非ご参加くださいますようお願い申し上げます。

 参加の申し込みは弊社ホームページより→ http://www.ssa.co.jp

■=== 【人材募集】

1)エスエスジェイ: http://www.ssjkk.co.jp
   基幹業務・会計パッケージの開発SE・PGを大募集!
   PowerBuilder、PL/SQL、C++、VB、SQL-Windows/Centura等の
   経験のある方を求めています。
   問合先:recruit@ssjkk.co.jp 担当:石井
2)メイソンシステム: http://www.mayson.co.jp/
   生産管理のコンサルタント&SEを募集中
   詳細はメイソン/早川さんまで、hayakawa@mayson.co.jp
3)JSS: http://www.jsscorp.co.jp/
   ソフトウエア開発技術者(SE,PG)を募集中!!
   詳細はJSS/西田さんまで、t-nishida@jsscorp.co.jp
4)ソフティ: http://softy.co.jp
   関西拠点の技術者を募集。勤務地は大阪
   オブジェクト指向を理解してるSE、システム分析者ほか
   詳細はソフティ/工藤さんまで、kudo@softy.co.jp
5)システムズ: http://systems-inc.co.jp
   上場を目指し、実力のある営業および営業管理者を募集!!
   詳細はTRU/西嶋まで、GGD02470@nifty.ne.jp

■=== 【たつべー杯(大阪)】  <参加者募集中>

 朝晩の蝉の声も落ち着きを見せはじめ?都会では灼熱地獄の季節を
 迎えております。今年の夏は本当に厳しいですね!
 皆様はいかがお過ごしでしょうか??
 「第19回たつべー杯」の開催が以下のように決定いたしましたので
 ご案内いたします。

 今回はGolfの原点を見直すというか極める為に、河川敷コース
 にて[各自カートを転がしながら果敢なプレーに挑戦する]という
 スタイルを取り入れました。
 カートでの楽々プレーに慣れてしまった身体には、少々しんどいか
 もしれませんが、全くフラットなコースですので頑張りましょう!
 暑さの事も配慮して、少し?早いスタート時間です。
 (前夜の「F+S Forum」で、あまり飲み過ぎないで下さいヨ!!)

 また、電車で行こう!とお考えの方、京阪電鉄/牧野駅から
 徒歩約5分でクラブハウスですので、案外良い作戦かも?!
 枚方市駅からタクシーでも10分くらいと思います。

 開催地は大阪ですが、毎回東京等からも多くご参加いただいています
 ので、F+S大阪へのご参加ついでにご参加をお待ちしております。

 【確保組数】15組60名様 先着申込順ですのでお急ぎを!

 参加申込は、taka@sun03.tis.co.jp へお願い申し上げます。

 −−<開催情報>−−「第19回たつべー杯」

  開催日   : 2001年9月22日(土)
  スタート時間: 7:00AM〜
  開催地   : 牧野パークゴルフ場 http://www1.ocn.ne.jp/~makino/
  費用    : ¥20,000〜¥21,000(目標)
          (昼食・茶店・大宴会・豪華商品..全部込)
  募集人数  : 15組(60名)
  H・C   : たつべー杯 公認ハンディキャップ

■=== 【F+S Forum/開催日程】

・月例会開催予定:

  東京:【第57回】 9月 5日(水)19:00〜
  大阪:【第14回】 9月21日(金)19:00〜
  福岡:【第 2回】 9月14日(金)19:00〜
  GOLF:【第13回】 9月 7日(金)〜8日(土) 下田CC

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 「人が創る」を合い言葉に、「F+S Forum」を通じてより良い社会へ
    http://member.nifty.ne.jp/TRU-Solutions/tru-04.htm/
  参加者のご紹介や【F+SFlash】のバックナンバーは上記URLで
 各種有益な情報提供やイベント等の告知があればお知らせください
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編集後記:
今月は久しぶりに「F+S Forum」がお休みだったのにアッという間に8月も
終わりそうです。9月に入ればゴルフにシーズンに突入です。それよりも
半期決算が心配という諸兄もおられるかも知れませんネ。(何『F+S Flash』
の読者にはそんなヤツはいないって?)相変わらず好調のIT業界ですが、
環境に甘えず正しい方向への努力と投資をしないとしっぺ返しがきっと来
ます。勝手兜の緒を締めよ、です。ユーザ視点で顧客の問題意識をしっかり
とらえた活動が中長期での顧客獲得につながります。案件を育てる意識の
少ないIT業界ですので、顧客と一緒になって課題解決へ向け活動して欲し
いものです。顧客とともに考え企画提案できる人材の早期育成を望みます。

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